18日、死去したことが分かった森山真弓(もりやま・まゆみ)氏。女性初の官房長官を歴任するなど衆院議員を含め30年に及んだ国会議員生活について、2009年の引退表明時、下野新聞社の取材に次のように答えていた。
◇ ◇
-政界を引退することになるが、支持者に伝えたいことは。
「参院議員から衆院にくら替えしたり、衆院でも比例代表だったり小選挙区だったり。いろんなところで30年もの間お世話になりました。栃木県民のおかげで今日までやらせていただき、いろんな仕事も経験させてもらった。私としては本当に幸せだった」
-30年の議員生活で一番の思い出は。
「(89年の)官房長官時代に、ベルリンの壁が崩れた。東西の壁が崩れて、『東』と言っていた国の体制が壊れて、世界の政治が変わった時だった。毎日2回ある記者会見でも、午前に言ったことと午後に言うことが違ったりしていたことが印象的だった」
「官房長官は8月から2月までだったが、1月の終わりに総選挙があった。選挙応援にも行って、大勢の人が良い成績で当選し、もちろん過半数をとった。世界の大変動と総選挙が大きな思い出ですね」
-女性政治家の先駆者の一人として、現状をどう見ている。
「女性の政治参加が増えてきたのはうれしいが、まだまだ国際的には遅れている。もっと頑張らなければいけない」
-後輩の女性政治家に伝えたいことは。
「女性でも男性でも立派な政治をしてくれて、清潔で信頼のできる政治家にならなければならない。信なくば立たず。その一言に尽きる」
-自民党の支持率が低迷している。自民党への注文は。
「注文は特にない。自民党とは1980年から30年のつきあい。始めからずっと自民党で、途中あちこち行かなかったし行こうとも思わなかった。信頼できる責任感のある政治ができるのは自民党をおいてほかにはないと私は思っている」