【北京五輪】採火式に活動家が乱入「大量虐殺大会反対」の横断幕で開催に猛抗議

取り押さえられた活動家たち(ロイター)

ギリシャ・オリンピアで18日に行われた来年2月4日開幕の北京五輪の聖火採火式に、中国の人権問題に抗議する活動家が乱入し、波紋を広げている。

抗議行動を起こした活動家の母体とみられるNGO「フリー・チベット」のSNSで確認すると、乱入したのはケミ・ラモ氏、ジェイソン・リース氏、ファーン・マクドゥガル氏の3人。国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長らが出席した採火式に、3人の活動家たちはチベットの旗と「NO GENOCIDE GAMES(大量虐殺大会反対)」と書かれた横断幕を掲げ、各国に北京五輪をボイコットするように訴えた。

これはチベットや新彊ウイグル地区での人権弾圧が世界で問題視される中国への抗議で、採火式の公式ライブ動画では、式のクライマックスの場面で「ウイグル人に対して大量虐殺を行っているのに、北京がオリンピックを主催することは許されるのか!」などと叫んでいる女性活動家の声も聞き取れる。

3人の活動家はすぐに警察に拘束されたが、前日にもアテネのアクロポリスでチベットの旗を掲げて北京五輪のボイコットを求める抗議活動が行われ、活動家2人が警察に連行されたという。

「フリー・チベット」のSNSでは、活動家を逮捕したギリシャ警察への反発も強めており「ジェイソン、ラモ、ファーン、その他の活動家をできるだけ早く解放するよう取り組んでいきます」とし、北京五輪ボイコットをさらに強く訴えていく姿勢を示している。

海外メディアの報道では妨害行為は式の進行には影響しなかったというが、大会が近づくにつれ、人権問題を抱えた北京五輪に対する風当たりはますます強まりそうだ。

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