【インドネシア】法人税、一定条件で19%[経済]

企業の税優遇、国税規則調和法

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インドネシアの国会本会議で7日に可決、成立した「国税規則調和法」により、企業に対して税制面での優遇がもたらされる見通しだ。法人税率は2022年以降も22%で据え置くことを盛り込んだが、上場企業など一部の企業を対象に、3ポイント引き下げた税率19%を適用する。18日付コンタンなどが伝えた。

新型コロナウイルス対策の一環で昨年3月に公布された代替政令(Perppu)『20年第1号』で、一般企業の法人税率を当時の25%から20~21年に22%、22年には20%へ段階的に引き下げると規定したが、国税規則調和法では、22年以降も22%で据え置くことを盛り込んだ。一方、40%以上の株式をインドネシアの証券取引所で公開している上場企業は税率を19%とする。詳しい条件は、政府が追って定めるとしている。

中小零細事業者に対しては、年間売上高のうち5億ルピア(約400万円)までを、法人所得税のファイナル・タックス課税対象から控除する。売上高が5億ルピア以上48億ルピア未満の中小零細事業者に対しては、これまで通り税率0.5%のファイナル・タックスを課す。

年間売上高が48億ルピア以上500億ルピア未満の企業に対しては、法人税率を50%軽減する優遇措置を維持する。財務相は先に、この優遇措置を撤廃する方針を示していたものの、引き続き適用することを定めた。

■租税特赦利用の周知が必須

国税規則調和法では、過去の税申告の誤りを申し出た納税者に追徴額支払いの軽減・免除を行うタックス・アムネスティ(租税特赦)を再導入することも盛り込んだ。

15年末時点で保有されていた未申告の資産は9,964兆ルピアに上るとされ、全てが申告されれば597兆8,400億~1,096兆400億ルピアの税収増につながる。

タックス・アムネスティでは、1985年~2015年末時点で保有していた未申告の資産には6~11%、16~20年末時点で保有していた未申告の資産には12~18%の所得税率が課せられる。

インドネシア商工会議所(カディン)のアルシャド・ラシッド会頭は、「前回16~17年にタックス・アムネスティが導入された際は、制度についての理解が乏しく、多くの企業が利用しなかった」と指摘。「(同制度の利用による税収増で)インドネシアの経済回復を支えるためにも、企業への周知活動を進めていきたい」と述べた。インドネシア経営者協会(Apindo)のハリヤディ会長も「税率が低く抑えられた今回の制度は、企業の関心を集めるものだ」と評価した。

一方、青年実業家協会(HIPMI)のアンガウィラ副会長は、同制度の利用者増加には、資産申告手続きの簡素化と、納税義務者の個人情報が守られることが不可欠だと指摘した。