「東洋一」の競馬場、魅力を後世に 横浜市が本格保存を検討

旧根岸競馬場の「一等馬見所」=横浜市中区の根岸競馬記念公苑(2021年撮影、許可を得て小型無人機ドローンで空撮)

 日本初の近代競馬場として知られる旧根岸競馬場(横浜市中区)の観客スタンド「一等馬見(うまみ)所」を巡り、市が本格的な保存活用に向けた検討を始めたことが18日、分かった。築90年以上がたち老朽化しているが、跡地利用が進む米軍根岸住宅地区(約43ヘクタール、同市中・南・磯子区)のシンボルとして、横浜が誇る歴史や景観などの魅力を後世に継承していく考えだ。

 一等馬見所は現在の根岸森林公園内にあり、高さ約30メートルの塔や階段状に設置された観覧席が特徴。内部には貴賓室やレストランなどがあったという。山手の洋館などを手掛けた米国出身の設計家J・H・モーガンが設計し、1929年に完成した。

 幕末期の1866年に誕生して「東洋一」の規模を誇った根岸競馬場の観客スタンドとして、1943年に競馬場としての幕を閉じるまでの約14年間、競馬ファンに親しまれた。

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