レッド吉田さん「息子と一緒に習おうかと思っています」
お笑いコンビ「TIM」のレッド吉田さんは1983年「夏の甲子園」に出場した元高校球児。小学5年生の三男・運(めぐる)くんがプロ野球選手になることを「吉田家の夢」と掲げ、日々親子で奮闘している。毎回、テーマを決めて子育てや野球を指導する難しさなどを語ってもらう連載「レッド吉田の“巡る”野球界」。第6回のテーマは、レッドさんが現在、注目している武道と野球の関連性についてです。
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プロ野球選手になるには技術が必要なのはもちろんですが、それに加えてメンタルが強くないとダメだと感じています。今は、息子の野球の技術が上がるように一緒に練習していますが、メンタルを強くするトレーニングを取り入れたいんです。それは何だろうと考えた時に、武道ではないかと。武道はメンタルをコントロールできます。
精神力はパフォーマンスを発揮するためにも、努力を続けるためにも、すごく大事。一流のプロスポーツ選手の中には「宇宙人」と言われる人もいますが、それだけ自分をしっかり持っていて、周りに左右されないのだと思います。
息子の目標はプロに入ることではなく、プロで活躍することです。そのゴールを考えた時に武道が大事になると考えています。僕自身が武道の経験がないのでどんなものが最も野球に活きるのか分からないのですが、合気道や古武術を息子と一緒に習おうかと思っています。
武道の心得は「野球以外にも活きてくるはずです」
合気道は力を抜いて相手の力を利用するので、色んなことに応用できるのではないかなと感じています。古武術も興味深いですね。掌底の力の入れ方は、バッティングにつながるのではないかとみています。インパクトの瞬間に力を入れる感覚やヒントを得られるのではないかなと。
以前、古武術のDVDを見た時に、力の入れ方を変えるだけで簡単に人を倒していました。これは、バッティングフォームやピッチングフォームのちょっとした力の入れどころを変えるだけで、パフォーマンスが変わると感じました。
他の習い事との兼ね合いもあるのですが、合気道や古武術の体験をして息子が中学に入るくらいまでやらせてみるのを選択肢にしています。想定外のことやトラブルが起きた時にも慌てない精神力を身に付ければ、野球でもチャンスやピンチの時に平常心を失わず、力を発揮できる気がします。
それから、礼を重んじて相手への敬意を忘れない武道の心得は、野球以外の日常生活、人との付き合いにも活きてくるはずです。もちろん、勝敗や技術へのこだわりは大切です。でも、心を育てないと、キャリアが終わった時に人が離れていきます。目指すのは大谷翔平投手のように、みんなから応援される選手です。
○プロフィール
レッド吉田 1965年10月30日生まれ、京都府出身。名門・東山高(京都)で1983年夏の甲子園に出場する。ゴルゴ松本とともにお笑いコンビ・TIMを結成し、バラエティ番組で人気に。野球が大好きで、5児の父としても奮闘中。三男・運(めぐる)くんをプロ野球選手にするために立ち上げたYouTubeチャンネル「レッド吉田の野球子育て奮闘記~めぐる巨人への道~」を開設中。(記事提供:First-Pitch編集部)
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