電撃解任のシルト前監督 18年間在籍したカージナルスに感謝

球団新記録の17連勝を達成して3年連続のポストシーズン進出を果たしながらも電撃解任されたカージナルスのマイク・シルト前監督は、日本時間10月19日にオンライン会見を開き、フロントオフィスとの考え方の違いが解任につながったことを認めつつも、過去18年間にわたって様々な役割を任せてくれた球団への感謝を口にした。「私はこの球団をリスペクトしているし、感謝を述べることしかできない」とシルト。「どんな違いがあったかを私の口から言うことはできない」とも話している。

来季まで契約が残っていたシルトだが、カージナルスは日本時間10月15日に解任を発表。ジョン・モゼリアック編成本部長はフロントオフィスとの「哲学的な相違」を解任の理由に挙げた。シルトは2018年途中に解任されたマイク・マシーニー(現ロイヤルズ監督)の後任としてカージナルスの監督となり、2019年から3年連続でポストシーズン進出。ドジャースと対戦してサヨナラ負けを喫したワイルドカード・ゲームがカージナルスの監督としての最後の試合となった。

シルトはオンライン会見のなかで記者からの質問を受け付けなかった。今後のプランについても明言しなかったが、パドレスの新監督候補に挙がっていることが報じられており、シルト自身も「球界での次の機会が楽しみだ。たくさんのチャンスがあると思うから、選手や球界の成長に貢献したい」と話している。また、カージナルスに対してもネガティブな感情は持っておらず、「いい結果を残してチームを去ることができたし、2022年のチームにも期待しているよ」と語った。

プロ野球選手としてのプレー経験を持たないシルトは、高校や大学でコーチを務めたあと、2004年にスカウトとしてカージナルスに加入。その後はコーチ業も兼任するようになり、マイナーの監督、メジャーの三塁ベースコーチ、メジャーのベンチコーチと着実に出世階段をのぼって2018年途中にカージナルスの監督に就任した。2019年に最優秀監督賞を受賞しているが、プロ野球選手経験のない監督しては史上初の快挙だった。

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