新型コロナウイルス感染症治療薬「ベクルリー(R)点滴 静注用100mg(一般名:レムデシビル)」 一般流通開始

2021年10月18日
ギリアド・サイエンシズ株式会社

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬「ベクルリー(R)点滴 静注用100mg(一般名:レムデシビル)」 一般流通開始のお知らせ

ギリアド・サイエンシズ株式会社(以下「ギリアド」、本社:東京都千代田区、代表取締役社長:ルーク・ハーマンス)は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の原因ウイルスとなるSARS-CoV-2感染に対する治療薬「ベクルリー(R)点滴静注用100mg」(一般名:レムデシビル、以下「ベクルリー」)が本日から一般流通されることをお知らせします。

ベクルリーは、日本において2020年5月7日に特例承認され、ギリアドは厚生労働省との協議を経て、当局との供給および販売契約を締結しました。その後、ベクルリーへの需要の高まりとともに本剤の生産能力が大幅に向上し、需要を満たす供給の見通しが立ったことから、ギリアドは薬価収載申請をし、2021年8月12日の収載を受けて、一般流通を開始する運びとなりました。

ベクルリーの一般流通開始について、国立国際医療研究センター国際感染症センター長で、日本におけるACTT-1試験の治験責任医師である大曲貴夫先生は、次のように述べています。

「新型コロナウイルスの感染状況は流動的で、患者さんの病態は急に悪化することもあり、治療には柔軟な対応が求められます。そのような状況下でベクルリーが一般流通されることにより、医療機関は迅速に本剤を入手し、適切なタイミングで患者さんの治療にあたることができます。また、ベクルリーが発売から約1年半を経てCOVID-19治療における標準薬となる中、他剤と同様の流通システムが適用されることにより、医療業務の削減も期待されます」

「ベクルリー点滴静注用100mg」製品概要

ベクルリーについて

ベクルリー(レムデシビル)は、ギリアドの10年以上にわたる抗ウイルス研究の成果を基に創薬されたヌクレオチド誘導体です。ベクルリーは、COVID-19による入院患者さんの標準的な治療に使われる抗ウイルス薬で、現在、米国ではCOVID-19による入院患者さんの半数以上がベクルリーによる治療を受けています。また、COVID-19の治療薬として米国を含む世界約50カ国で承認または緊急使用が認められており、ボランタリー・ライセンスを結んだ後発品企業で製造されたジェネリック薬のレムデシビルは、127の中低所得国に提供されています。ベクルリーおよびジェネリック薬のレムデシビルは、世界で700万人以上の患者さんに提供されています。ベクルリーは、エボラ出血熱、SARS、マールブルグ熱、MERSなどの複数の新興ウイルス病原体に対して、in vitroおよびin vivoの動物モデルを用いた試験の双方で広範な抗ウイルス活性が認められています。

ベクルリーは、細胞内のウイルスのRNAポリメラーゼを標的として、SARS-CoV-2のウイルスの複製を直接阻害するヌクレオチド誘導体です。体内に入ったベクルリーは、活性代謝物であるレムデシビル三リン酸に変化し、ウイルスのRNAに取り込まれて宿主細胞内でのウイルス複製を停止させます。ウイルスのRNAポリメラーゼを大きく変化させた変異株はいまのところ確認されておらず、既知の変異ウイルスはすべて、ウイルスの外表面にあるSARS-CoV-2スパイクタンパク質の異なる位置に変異があり、抗SARS-CoV-2抗体の親和性を低下させる原因となっています。

ベクルリーの抗ウイルス活性については、アルファ、ベータ、ガンマ、デルタ、イプシロンを含む変異株に対する検討がされました。その結果、ベクルリーが現在確認されているSARS-CoV-2ウイルスの変異株に対しても有効であることが示唆されています。

ギリアド・サイエンシズについて

ギリアド・サイエンシズは、すべての人々にとって、より健康な世界の実現を目指し、30年以上にわたり医療の革新を追求し、飛躍的な進歩を遂げてきたバイオ医薬品企業です。当社はHIV、ウイルス性肝炎、がんなどの生命を脅かす疾患の予防と治療のため、革新的な医薬品の開発に取り組んでいます。カリフォルニア州フォスターシティに本社を置き、世界35カ国以上で事業を行っています。

ギリアドの将来予想に関する記述

本プレスリリースは、1995年米国民事証券訴訟改革法(Private Securities Litigation Reform Act of 1995)で定義される「将来予測に関する記述」に該当し、これにはベクルリーのグローバルな供給や販売管理をギリアドが効果的に行うことができない可能性などのリスク、不確定要素、およびその他の要因が含まれます。これらのリスク、不確定要素、およびその他の要因については、米国証券取引委員会に提出されたギリアドの2021年6月30日を末日とする四半期報告書 (フォーム10-Q)に詳細に記載されています。これらのリスク、不確定要素、およびその他の要因により、実際の結果が「将来予想に関する記述」で言及されている内容と大きく異なる可能性があります。歴史的事実以外のすべての記述は、「将来予想に関する記述」とみなされる可能性があり、将来の業績を保証するものではありませんので、依拠しないようご注意ください。「将来予想に関する記述」はすべて、ギリアドが現在入手できる情報に基づいており、ギリアドは将来予想に関する記述を更新する義務を負いません。