在来線特急で荷物輸送 実証実験 長崎から博多へ駅弁運ぶ JR九州

博多へ向かう特急かもめに駅弁を積み込む担当者=JR長崎駅(JR九州提供)

 JR九州は16日、長崎駅から在来線の特急列車に荷物を載せて博多駅まで運ぶ実証実験を初めて実施した。荷物輸送サービスは、収益の確保や地域の魅力発信などを目的に九州新幹線(博多-鹿児島中央)で5月から始めており、在来線でも事業化を目指す。
 今回の実験では、駅弁を特急かもめで輸送した。長崎駅では、同日朝に製造されたクジラのカツや豚の角煮などの弁当3種類計約30個を事業者から引き受け、過去に車内販売の準備室として使っていた車内の未活用スペースに載せた。同日は大分駅からも在来線特急で駅弁を輸送。博多駅では、熊本や鹿児島の駅弁も含めて構内のイベント会場で販売し、多くの人が買い求めた。
 「ながさき鯨カツ弁当」などを製造販売する「くらさき」(長崎市)の小嶺信介社長は、「九州の玄関口である博多で紹介され、長崎や鯨料理のPRにつながる。(列車活用は)輸送の効率化が期待できる」と話した。
 JR九州は今後も在来線での実証実験を行い、駅弁以外の商品の輸送需要や、商品積載・運搬時の課題などを確認する。

長崎駅などから運ばれた駅弁が並んだイベント会場=JR博多駅

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