【新日本・G1】史上初3連覇王手の飯伏に天山「記録塗り替えろ」蝶野は「5連覇リクエスト」

飯伏はKENTAを下し優勝決定戦進出。史上初3連覇に王手をかけた(東スポWeb)

新たな金字塔に王手だ。新日本プロレス「G1クライマックス」Aブロック公式戦(18日、横浜武道館)で、前年度覇者の飯伏幸太(39)がKENTA(40)を下し7勝目。4年連続となる優勝決定戦(21日、東京・日本武道館)進出を決めた。史上初の3連覇にあと1勝と迫り、過去の連覇達成者である蝶野正洋と天山広吉からは新記録樹立のエールが送られた。

勝者が優勝決定戦に進出する大一番で、飯伏は場外へのダイビングボディープレスを放つなど執念の戦いを展開した。KENTAの反撃にさらされながらも、ゴー2スリープをキャッチするとジャンピングニーから後頭部へのカミゴェを発射。最後は正調カミゴェで3カウントを奪った。

試合後は「4度目の優勝決定戦、そのチャンスを僕は絶対に逃さない。3連覇してみせます。いつも言ってますよね。僕は何からも逃げない、負けない、諦めない。そして絶対に裏切らないから」と豪語。31回目のG1で史上初となる3連覇に、ついに王手をかけた。

そんな飯伏の新記録達成を、過去の連覇達成者たちも後押しする。1991、92年大会覇者の蝶野は「どうせだったら新しい記録をつくったほうがいい」ときっぱり。「初優勝の時には大きく扱ってくれるけど、回数を重ねると何かと〝お土産〟が必要になってくる。そういう意味では新記録はいいお土産になるし、達成すれば彼が言いたいこともより広く伝わるようになるし」と語った。

さらに最多優勝回数「5」を持つ立場として「3連覇を達成したら、次は5連覇までいってほしい。大谷(翔平)君じゃないけど、昔から見てるファンや新しい人たちの目を向けさせるために、記録って分かりやすいから」とエールを送った。

また2003、04年大会覇者の天山も「ちょっと複雑な感じはありますけど、記録は破られるためにあると思うし、どんどん塗り替えていってもらわないと。新日本、プロレス界全体を考えたら次代のチャンピオンの誕生を見たいなというのはありますよ」と語った。

天山自身は3連覇がかかった大会で、重圧と他選手の厳しいマークから実力を出し切れなかった悔いがある。「とにかく無心で持っている全てをぶつけること。G1ってお客さんの声援とかすごい欲しいとこなんですけど、(コロナ禍では)それがない。自分自身を鼓舞して奮い立たせていくしかないですよね。その中で飯伏らしさを全部さらけ出してリングに立ってほしい」と助言した。

「限界突破したんじゃないかと思ってますけど、まだ終わってない。3回目の優勝。必ず、必ず守るから」と誓ったゴールデンスター。新時代の扉を開く鍵が、その手中にある。

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