ランクル“70”シリーズに再販の可能性!? 6年落ち中古が新車超えの500万円! 異様な事態を受けトヨタも検討を開始か

トヨタの本格四輪駆動車「ランドクルーザー」シリーズの中でも、5年以上前に発売された“ランクル70(ナナマル)”シリーズ30周年記念モデルが、安定した中古車人気を保っているのをご存知だろうか。当時350万円で売られていた新車価格以上の中古車相場(400~500万円台!)となっているのだから驚く。70シリーズの人気ぶりをチェックするとともに、再販の可能性についても探ってみた!

トヨタ ランドクルーザー“70”シリーズ バン[オーストラリア仕様車] [Photo:茂呂 幸正]

1984年に登場し、今なお世界で販売を続けられている長寿モデル「ランドクルーザー“70”シリーズ」

1984年に登場したトヨタ ランドクルーザー“70”シリーズ

1984年にデビューしたランドクルーザー“70”シリーズは、ラダーフレーム構造による高い堅牢性・耐久性により、世界中の道なき道で支持された。なんと、デビューから37年が経過した2021年の今も世界で販売を続けられている驚異の長寿モデルなのである。

1990年、ランドクルーザー70から派生し誕生したのが初代「ランドクルーザープラド」だ

ただし日本国内では2004年にランドクルーザー70は販売を終了し、ランドクルーザープラドなどに道を譲っている。しかしユーザーから“70”復活の要望も強かったこともあり、誕生30周年を迎えた2014年8月、トヨタはランドクルーザー70を期間限定で国内再発売した。

2014年、ランクル70デビュー30周年を記念し国内でも復刻販売を実施、価格はバン・トラックともに350万円

2014年8月に復刻したランドクルーザー“70”シリーズ(写真は国内初導入の「ダブルキャブピックアップトラック」)

2014年8月に復刻したランドクルーザー70シリーズは、国内初導入のV型6気筒4リッター「1GR-FE」型ガソリンエンジン(231ps/360Nm)と5速マニュアルトランスミッション、パートタイム4WDというヘビーデューティーな組み合わせ。従来型に比べ内外装デザインをリフレッシュし、安全装備も加えたことで近代化させた。

ボディタイプは4ドアバンに加え、これまた国内初導入のダブルキャブピックアップトラックがラインナップされたことも大きなニュースだった。2モデルとも乗用車登録(3ナンバー)ではなく商用車登録(1ナンバー)となっていた。

この復刻モデルの価格は、バン・ピックアップトラックともに350万円(消費税込)。およそ1年の期間限定とされ、2015年6月30日生産分にて受注を終了した。トヨタの想定以上に受注が集まり、増産も行われたようだ。

復刻販売終了から6年経過したが、中古車価格は当時の新車価格超えの400万円~500万円台に!!

惜しまれつつ期間限定の販売を終了したトヨタ ランドクルーザー70シリーズの復刻モデルだが、ユーザーの需要はかなりのもので、中古車価格は高値のまま推移した。

今となっては懐かしいスクエアなスタイリングは普遍性があり、長く飽きのこないデザインだったのも功を奏しているのだろう。

中古車検索サイトによる2021年10月19日現在の中古車相場は、なんと300万円台後半から、500万円台というから驚く。しかも走行距離5000キロ以下の低走行車はもちろんのこと、走行距離7万~8万キロの個体でも400万円台と、新車価格350万円を遥かに超える異例の値付けとなっている。

販売終了後も根強い支持が集まり、高い中古車相場が維持されている状態だが、ちょっと異様ともいえるほどの人気ぶりだ。

ランドクルーザー70の中古車相場表, ランドクルーザー70ピックアップの中古車相場表(ともに2021年10月19日現在)
ランドクルーザー70の中古車相場表, ランドクルーザー70ピックアップの中古車相場表(ともに2021年10月19日現在)

異様な高騰にトヨタ社内でも問題視する声も… 再販の可能性を探っている模様

写真は、現在も新車で売られている「トヨタ ランドクルーザー“70”シリーズ」(オーストラリア仕様車)

新車製造終了から6年が経過した中古車が、いまだに新車価格を超えているというのは、よほどの人気車でないとあり得ないこと。生産台数の極端に少ないスーパーカーなどで稀に見られる程度の非常にレアな現象である。

中古車価格は需要と供給の関係で決まるものだから、第三者があれこれ言うものではないが、トヨタとしてはどのように見ているのだろうか。とある情報によると、トヨタ社内でもこれを問題視する声があがっており、再度の復刻販売についても検討が行われているという話だ。

折しもランドクルーザーシリーズ発売開始から70周年を迎える今年2021年。これを記念し、主に2014年の復刻版70シリーズユーザーに向けた限定パーツの発売も始まっている。

公式発表はまだないが、ここで改めてランクル70シリーズの復刻再販売を大いに期待したいところである。

[筆者:MOTA(モータ)編集部 トクダ トオル/撮影:茂呂 幸正・TOYOTA]

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