石嶺小でジンベイ、ジュゴンが泳ぐ! 水族館をイメージした壁画が完成

 【那覇】「嶺っ子ちゅら海」登場―。那覇市立石嶺小学校(砂川深雪校長)の校舎1階、玄関近くの吹き抜け部分の壁に水族館をイメージして描かれた壁画がこのほど、完成した。美しい沖縄の海を泳ぐジンベイザメやジュゴン、ウミガメなどを描き、「嶺っ子ちゅら海」と名付けた。校舎3階の6年生が学ぶフロアの壁には首里城の壁画も完成。両作とも同校の仲里真理子教諭が8月中旬から9月初旬にかけて描いた大作で、児童や職員らを喜ばせている。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で自粛生活が長引く子どもたちのために明るい環境をつくりたいという砂川校長の思いと、壁画を描いた仲里教諭の子どもたちに対する熱い気持ちで壁画が実現した。

 仲里教諭は新校舎に壁画を描いた。同教諭は石嶺小の卒業生で、小学生の頃にも当時の新校舎で学んだ経験がある。石嶺小への縁を大切にしたいという自身の思いや、子どもたちの心に残る思い出を残してあげたいとの願いを込めて描いたと話す。

 水族館をイメージした壁画は、夏休みも自粛生活を送った子どもたちに少しでも旅行気分を味わってほしいと描いた。首里城の壁画は、6年生が首里城に対する思いが強いことを受けて描いた。6年生は4年生の時に首里城の火災を経験した。以来、首里城に対する思いを「嶺っ子(学習)発表会」において歌や群読で表現するなど、首里城についても学んでいる。6年生の担任をする仲里教諭は子どもたちのその姿を身近で感じ取っていることから6年生の教室があるフロアーに首里城を描いた。

 壁画の前ではクラスごとに記念写真を撮るなど児童や教職員の表情は笑顔に満ち、保護者からは壁画の前で「家族写真を撮りたい」などの声が挙がっているという。

 (中川廣江通信員)

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