韓国紙「TSMCの日本進出は日台の特殊関係が背景に」「台湾は反日感情ない...共に韓国脅かす」

台湾のTSMCが日本に約8000億円(うち4000億円は日本政府が補助する可能性)を投じて半導体ファウンドリ工場を建設することに対し、韓国紙が日本と台湾の「特殊」な関係について注目している。

参考記事:韓国紙「台湾TSMCの日本進出めぐり韓国がWTOに提訴も」「日本政府補助金はサムスンに損害」

マネートゥデイは16日、オ・ドンフィ記者の『日本占領50年台湾、TSMCが日本に行く理由は』というタイトル記事を掲載し、日台の友好関係などが背景にあると指摘した。

オ記者は、TSMCの日本進出理由について、自動車用半導体の確実な市場があることを挙げつつ、「その根底には、両国間の長年のIT協力と国家間の友好関係がある」と分析した。

続けて、「ライバルである韓国に勝ちたいという意志も内包されている」「韓国と妙な関係にある両国が半導体とディスプレイ分野で《克韓》しようという共同認識を持っている」とし、さらに「中国という共通の《敵》に対応する安保的次元での協力も今回のファウンドリ工場の共同設立が持つ意味だ」と指摘した。

オ記者は、「日韓関係の経験から見て、日清戦争後の50年間、日本に被支配された台湾は日本との関係が悪いと思われるが、実際はそうではない」とし、台湾人が本省人に比べて中国本土よりも日本と近いことを挙げ、「日本の植民地支配の方法が韓国と台湾に大きな差があったからである」「本土人による様々な迫害過程で生じた感情も一役買っている。日本が台湾の開花期をともにした点で台湾人は同質感が強く《反日感情》がほとんどない」と説明した。

オ記者は、1990年代にサムスン電子など韓国勢に日本が押され始めるや、「提携を結んだのも台湾企業である」とし、パワーチップとエルピーダが合作した瑞晶電子(Rexchip)の例や、鴻海グループによるシャープの買収例などを挙げつつ、鴻海のテリー・ゴウ会長が当時、「シャープはサムスンより優れている」「シャープと協力してサムスンに勝つ」と豪語したことなどを伝えた。

一方で台湾が国際的・地政学的に孤立しており、米国と共に中国を牽制したい日本と利害が一致したとの見方もオ記者は指摘した。同時に、TSMCにとっても、「日本がまだ、半導体や機械、重化学工業では無視できない源泉技術保有国である」であることを進出理由にあると説明している。

そのうえで、「台湾の積極的な投資と日本の官民の協力を通じて、韓国の半導体企業を脅かすことができるか注目される」と述べている。

この報道をみた韓国のネットユーザーからは、

「…(日本は)夷を以て夷を制そうとしているのさ…」

「巨大地震が一度でもあれば台湾の奴らも目が覚めるだろう」

「地震とか言っているやつ、あのな、ウィン-ウィンの精神は無いのか?」

「日本が我々に制裁して半導体作れないようにしたとして、メモリはどこから調達するのか?米マイクロンは米国内需要も満たせてないのに」

「地政学がどうあれ地震があってはなあ」

「国家間の協力というより(日本の)国内政治用だろう…」

などのコメントがネット掲示板に投稿されている。

参考記事:韓国紙「米半導体再興は韓国の戦略的価値を消す」「日本の輸出規制は米の暗黙了解か」

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