表彰台獲得の約束を果たしたリカルド、F1アメリカGPの前にアーンハートのNASCARマシンをドライブへ

 マクラーレンのダニエル・リカルドは、今週末の第17戦アメリカGPでトップ10に返り咲くことを狙っている。だがF1の週末を前に、彼は子供の頃のアイドルがかつてステアリングを握った象徴的なマシンに乗る予定だ。

 マクラーレン・レーシングCEOのザク・ブラウンはリカルドに対し、今シーズン表彰台を獲得することができたら、彼が所有するデイル・アーンハート・シニアの3号車ラングラー・シボレー・モンテカルロNASCARを走行させるという約束をしており、その取り決めを果たすことになったのだ。

 リカルドは先月、ブラウンの期待を上回ってモンツァでの第14戦イタリアGPで優勝したため、アーンハートの歴史的なマシンに乗り、サーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)でデモランを行う権利を獲得した。

2021年F1第14戦イタリアGP表彰式 左からランド・ノリス(マクラーレン)、ザク・ブラウン(マクラーレン・レーシングCEO)、ダニエル・リカルド(マクラーレン)

 故アーンハートはウィンストンカップで7回チャンピオンになり、デイトナ500でも1回優勝を飾っている。彼はリカルドの心の特別な場所を常に占めていた。NASCARのレジェンドがF1ドライバーのアイドルになることはあまりなさそうだが、リカルドはF1でカーナンバー3をつけて走ることを選択するほど影響を受けていた。これはアーンハートのトレードマークのレースナンバーでもある。

「間違いなく彼はヒーローだった。僕が『3』を選んだのは実際には2014年のことだ。心の中では“脅迫者”も引き継いだよ。僕のバージョンでは“ハニーバジャー”だったけどね」とリカルドは、今年初めにレッドブル・レーシングでの1年目のシーズンについて語るなかで触れている。

「言ってみれば、大胆な動きを恐れず、激しいレースをするドライバーになるために、自分にとって多少の自己主張をする年になると思っていた」

「そうできたことはまだなかったと感じていたんだ。レッドブルでの最初の年は自己主張をしてそうした評価を得るための最初のチャンスだった」

「確かに、部分的にはアーンハートのことが頭にあったし、彼から受けた影響もあった」

 残念ながらリカルドはアーンハートのレースを直接見る機会には恵まれなかったが、“脅迫者”のシボレーを運転してCOTAを駆け巡ることは、素晴らしい慰めの賞となるだろう。

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