【ア・リーグ優勝決定S】レッドソックス・澤村拓一が雪辱の好投 超美技に救われ三者凡退

三者凡退で雪辱を晴らした澤村(ロイター)

レッドソックスの澤村拓一投手(33)が18日(日本時間19日、本拠地ボストンで行われたアストロズとのア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS=7回戦制)第3戦で12―3の9回に4番手で登板した。1回を無安打無失点、1三振で三者凡退で終えた。チームはそのまま勝った。

2回のシュワバーの1号満塁弾など4発で12―3とした9回。澤村は4番手でマウンドに上がり、主軸と対戦した。先頭ブレグマンはカウント2―2からの5球目、内角低めの93・8マイル(約151キロ)の高速スプリットで空振り三振を奪った。

4番アルバレスには、2ボールからの3球目、真ん中低めの97マイル(約156キロ)の直球を捉えられたが二直。5番コレアは1ストライクからの2球目、96・6マイル(約155キロ)の内角低め直球をライナーで逆方向に打たれたが、右翼手レンフローが右前の芝生スレスレでダイビングキャッチ。超美技に救われ、三者凡退で終えた。

捕手バスケスとがっちり握手を交わすと、マウンド付近でチームメートたちとハイファイブで勝利を喜んだ。「もう落ち着いて投げられますよ。あんなに死ぬほど緊張した経験があるので。ここはホームですし、選手もそうですけど、ファンを家族だと思って、思いっきり投げました」

敵地で行われた15日(同16日)の第1戦では緊張のあまりストライクが入らず、先頭打者に四球を与え、左前打、死球で満塁とするとアルテューベの中犠飛で1失点。一死しか奪えずに降板と不本意な投球だった澤村は「何かを変えていかないと成長できないなと思った」と、これまでのセットポジションではなく、ノーワインドアップで腕を振った。

「2014年? 15年? 何年ですかね、先発やっている時ぐらいからノーワインドアップで投げたことがないのに、このALCSという舞台で思い切って変えて、思い切ってやれた。次につながるんじゃないかなと思います」

試合後、気温10度を下回った一塁側ベンチで取材対応した澤村はこう続けた。

「今日の投球フォームの方がリズムがいいというか、タイミングがリリースの瞬間にしっかりつかまる感じが(練習では)ずっとしていたので、思い切ってやってやれって。出来たので納得していますね。誰にも相談してないですね」

本拠地のファンの大声援を背に雪辱を果たした背番号19は、清々しい表情で「今回は不安なんか一切なくて投げられた。もう大丈夫かなと思っています」と胸を張った。次回登板が楽しみだ。

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