「ファストファッション」の闇を描いた映画  「グリード ファストファッション帝国の真実」10月23日に山口市で上映

 流行を取り入れながらも低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで大量生産・販売する「ファストファッション」の闇を描いた映画「グリード ファストファッション帝国の真実」(2019年、イギリス)が、10月23日(土)に山口県教育会館(山口市大手町2)で山口県内初上映される。時間は午前10時半、午後2時、7時からの3回。

 監督・脚本は、マイケル・ウィンターボトム。難民問題を扱った「イン・ディス・ワールド」で2003年ベルリン国際映画祭金熊賞を受賞し、テロ組織のメンバーに間違われた青年たちを描いた「グアンタナモ、僕達が見た真実」では2006年銀熊賞(監督賞)を受賞するなど、社会派映画での評価が特に高く、ボスニア紛争を背景にした「ウェルカム・トゥ・サラエボ」でも知られる。今回は、イギリスのファストファッションブランド経営者の成功と転落や、その搾取的構造などビジネスモデルの闇の部分に切り込んでいる。「グリード」とは、「強欲」という意味だ。

 物語の主人公は、ファストファッション・ブランドの経営で財を成し、富豪となったリチャード・マクリディ(スティーヴ・クーガン)。人気ファッションブランド「TOPSHOP」などを擁しながらも2020年に経営破綻したアルカディア・グループのオーナー、フィリップ・グリーン氏がモデルだという。彼の還暦を祝うため、元妻サマンサ、息子フィン、母マーガレットら一家と、彼の自伝を執筆させている作家らがギリシャ・ミコノス島に集結し、古代ローマ帝国をモチーフとしたパーティーの準備が進められていく。当局から脱税疑惑や縫製工場の労働問題を追及されていたリチャードは、派手にショーアップされたこのイベントを通じ、かつての威光を取り戻そうと目論んでいた。だが、湯水のように金を使って傲慢に振る舞うリチャードと、家族や部下、作家との間に不協和音が生じ…。

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 前売り券は一般1500円。同館、山口市民会館、YCAMなどで購入でき、電話予約・当日受け取りでも適用される。当日券は、一般1800円、19歳から25歳まで1000円、18歳以下800円。予約・問い合わせは、主催の西京シネクラブ(TEL083-928-2688)へ。

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