考える主権者育成を 高校教諭へ前川さん講演

主権者教育をテーマに講演する前川喜平さん

 主権者教育をテーマにした元文部科学事務次官の前川喜平さん(現代教育行政研究会代表)の講演会が14日、川南町のサンA川南文化ホールであった。県内高校の公民教諭25人が参加した研究大会の一環。
 前川さんは、10、20代の低投票率は「自分たちで自分たちの社会をつくる民主主義の危機。自分で考え判断する個人がいて初めて国民主権は成り立つ」と指摘。「教師は子どもを指導の客体ではなく、学びの主体と捉えないといけない。一人一人が尊厳ある存在として主体的に学ぶことが大前提」と説いた。
 さらに、「学ぶ権利は参政権としての重要な意味を持つ」とし、新型コロナ対策などの国政を巡る課題や税制を学び、議論するよう求めた。大会は15日までの2日間、川南、都農町で講演や企業視察を行った。

© 株式会社宮崎日日新聞社