衆院選公示 栃木県内5選挙区に12人立候補 対コロナ、経済政策が争点に

候補者と気勢を上げる支持者ら=19日午後6時35分、宇都宮市内(画像は一部加工しています)

 第49回衆院選は19日公示され、31日の投開票に向けて12日間の選挙戦が始まった。新型コロナウイルス対策や経済政策が争点で、9年近く続いた安倍、菅両政権の政治姿勢も問われる。政権維持のため与党で過半数を目指す自民、公明両党に対し、野党の立憲民主党は共産党などとの共闘を強化し、政権交代を訴える。コロナ下の国の針路を巡り9党が候補者を擁立。計465議席に1051人が立候補した。栃木県内の五つの小選挙区には前回より4人少ない12人が立候補した。

 自民党は全5選挙区に候補者を擁立した。立憲民主党が4人、共産党が2人、日本維新の会が1人。前職5人、新人6人、元職1人で、女性は1人。立候補者数は、小選挙区制が導入されて初めて行われた1996年の衆院選以降で最少。

 前回2017年衆院選で2区を落とした自民は、議席を奪還した上で選挙区での全勝を狙う。立民は2区を死守した上で、複数議席の獲得を目指す。共産は選挙戦を通じて比例票の上積みを狙い、維新は県内小選挙区で初の議席獲得に挑む。

 自民県連会長の茂木敏充(もてぎとしみつ)外相は、5区の自身の出陣式で「日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。一体どの政党、どの候補者が国民の安心安全、生命財産を守っていくことができるのか」と問い掛け、「自民と公明の安定した連立政権で内政、外交とも日本を前に進めていく。その未来選択の選挙だ」と主張した。

 公明党県本部の山口恒夫(やまぐちつねお)代表は、5区の自民候補の出陣式で「国民の命と健康、雇用と暮らしを守る」と強調し、連立政権の継続のため自公両党の選挙勝利を訴えた。

 立民県連の福田昭夫(ふくだあきお)代表は、2区の自らの出陣式で自公政権が行ってきたコロナ対策や経済政策を批判し、「皆さんと共にこの国の政治を直そう。直すために政権交代が必要だ。一緒に戦ってほしい」と呼び掛けた。

 1、5区の新人応援などで県内を訪れた共産党の田村智子(たむらともこ)副委員長は「政権交代することで、国民の声に応える政治を実現する」と強調した。

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