出る気満々だったが…五木ひろし紅白卒業の舞台裏 大きかったサブちゃんの「50」

紅白卒業した五木ひろし(東スポWeb)

演歌歌手・五木ひろし(73)が、今年のNHK紅白歌合戦に「出場しない」と表明。これには演歌の大御所・北島三郎(85)が関係しているという。五木は昨年、北島と並んで歴代最多タイとなる50回連続出場を果たしたが、どうやらこれがネックだった。出場するのか、しないのか。水面下で繰り広げた攻防は激しかったようで…。

「(50回連続出場は)簡単には達成できるものではありません。昨年50回を迎え、大きな区切りをつけました。この喜びを胸に終了したいと思います」

五木は17日、自身のコンサートでこう明らかにした。これで1971年に初出場してから、連続出場記録はストップ。トリを務めた回数は、実に17回を数え、大みそかのお茶の間に半世紀にわたって歌を届けてきた功績は計り知れない。

だが、五木以上に紅白に貢献してきたのが北島だ。2013年に50回連続出場を達成し、この年を最後に紅白からの卒業を決めた。この〝レジェンド〟の記録は、音楽業界に重く受け止められていたのだ。

音楽関係者は「演歌のベテラン勢にとって、北島さんの50回という数字が一つの目安となってしまった。紅白サイドにとっても、北島さんを超えさせるわけにはいかないという大義名分となっていた」と話す。

それだけに昨年、紅白連続出場50回という記録を果たした五木が今年、北島の記録を塗り替えるかというのは、音楽業界では注目の的だった。

「50回という節目に向かってここ数年間、NHKと五木さんの水面下での攻防はすごかったですね。とりわけ昨年は、紅白サイドから『紅白の卒業を発表するならば大トリに』という条件を提示されていたという話もありました。でも結局、前半のトリになりました。その提案を五木さんが断っていたということでしょう。今年も出るという意志は強かったといわれています」(同関係者)

北島自身は、記録が更新されることにこだわりはなくても、NHKや周囲はいろいろ忖度していたのかもしれない。

ただ演歌は〝冬の時代〟と言われているだけに、五木の紅白不出場宣言は痛い。

「最近、NHKは若い人に紅白を見てもらうことを重視している。とりわけここ数年は、演歌勢を減らそうという姿勢が見え隠れする。昨年は紅組が4組、白組が5組となってましたが、五木さんが抜けたからといって代わりにほかの演歌歌手が入るというのは難しいのでは」(同関係者)

紅白の若者シフトが視聴率につながれば、NHKの狙い通りに違いない。ただ「昨年は2年ぶりに40%を超えましたが、コロナ禍で〝ステイホーム〟が追い風になったとみられている」とは芸能関係者。

現在、全国的に新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあるが、今冬にかけて第6波の心配は消えない。また、大みそか民放トップの視聴率を誇っていた日本テレビ系の大型バラエティー特番「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!! 笑ってはいけないシリーズ」が大幅に企画変更されることになるなど、不確定要素は多い。果たして今年の紅白は、どれだけの数字を稼げるのだろうか?

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