23日に「孔子祭」 長崎孔子廟でオリジナル劇 初演

舞台の稽古に励む出演者=長崎市大浦町、長崎孔子廟

 中国古代の思想家で儒学の祖、孔子の生誕2572年を祝う「孔子祭」が23日午後1時から、長崎市大浦町の長崎孔子廟(びょう)で開かれる。内容を一新し、孔子の生涯を描いたオリジナル劇を初演する。
 孔子は紀元前551年9月に生まれたとされる。孔子廟は毎年秋に式典を執り行い、遺徳をしのんでいた。だが昨年はコロナ禍の影響で中止に。再開に当たり、「人物像の一端が垣間見えるものを」との小林奈々副館長(38)の発案で劇の上演を企画した。
 劇団アクターズ(同市)の川下祐司代表(60)に7月ごろ協力を依頼。孔子にまつわる文献に目を通した小林副館長がアイデアを提案し、川下代表が台本にまとめた。印象的なエピソードを3幕で構成。親しみやすいように長崎弁を取り入れ、飛沫(ひまつ)防止のため、せりふは事前に収録した。
 小林副館長がこだわったのは「人間としての孔子」。「聖人と呼ばれ、後に弟子たちが『論語』を残すほど偉大な人物だが、挫折も苦渋も味わった普通の人間」と感じるからだ。
 上演時間約40分。同劇団の役者ら約10人が出演。変面師やプロのダンサーも登場する。上演は午後3時と同7時の2回。「龍踊(じゃおどり)」などもある。観覧無料だが入館料が必要。詳しくは長崎孔子廟(電095.824.4022)。


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