歴史踏まえ地域活性化を 長崎開港450年記念シンポ

学識者や青年団体代表らが登壇したシンポジウム=長崎新聞文化ホール・アストピア

 今年の長崎開港450周年を記念する講演・シンポジウム(NPO法人長崎教育研究所主催)が17日、長崎市茂里町の長崎新聞文化ホール・アストピアであった。登壇者が16世紀のポルトガル船来航以来の歴史を踏まえながら、地域活性化に向けて意見を交わした。
 「新しい長崎の街・歴史の始まり」と題し開催。基調講演で日本二十六聖人記念館(同市)元館長のデ・ルカ・レンゾ神父は開港当時の「長崎」が世界に広く知られたことを強調。長崎新聞に「開港450年 長崎の遠い記憶」を寄稿連載中の長崎大付属図書館前館長、増崎英明氏は連載で紹介した多彩なエピソードなどを語った。
 シンポジウムは2人に加え、学識者や地元の青年団体代表ら6人が登壇。レンゾ氏は長崎をイエズス会に寄進したキリシタン大名、大村純忠の決断について「新しい発想で、大きな賭けでもあった。どうやって生き残るかということだった」と指摘。増崎氏は「(開港で)雇用、仕事ができて人が集まった。何もないところを切り開いて、こんなに大きくなった街は国内に他にない」と強調。
 長崎青年協会の佐藤慎太郎会長は「長崎の魅力は全国的に高いが、全国の人は分かっていても私たち自身がその魅力を伝えていけていない。お二人の話を聞いて、長崎の歴史を勉強したいと思った」と述べた。

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