ヤンキースGM 遊撃手補強について「対処しなければならない」

アーロン・ブーン監督との3年間の契約延長を発表したヤンキース。球団史上28度目の世界一を成し遂げるために、フロントオフィスの目はすでに今オフの戦力補強へと向けられており、ブライアン・キャッシュマンGMは遊撃手補強について「ショートストップは補強が必要なエリアだ。我々はそれに対処しなければならない」と語った。今オフはカルロス・コレア、コリー・シーガー、ハビアー・バイエズ、トレバー・ストーリー、マーカス・セミエンら大物遊撃手がFAとなるため、ヤンキースの遊撃手補強の行方が注目される。

ヤンキースは2016年7月にアロルディス・チャップマンとのトレードでカブスから獲得したグレイバー・トーレスが2018年に21歳でレギュラーに定着し、翌2019年には38本塁打を放つ大活躍。しばらくのあいだ、遊撃手の心配をする必要はないように思われた。ところが、トーレスは守備が不安定なうえに、打撃面でも不振に苦しむようになり、ヤンキースは今年9月に内野陣のポジション変更を決断。正二塁手DJ・レメイヒューを三塁、正三塁手ジオ・ウルシェラを遊撃、正遊撃手トーレスを二塁へ移してシーズン終盤戦を戦った。

ウルシェラは遊撃手としての出場機会が増えることを歓迎しているものの、今のところ、ヤンキースはウルシェラを不動の正遊撃手とは考えていない模様。むしろ、大物遊撃手がズラリと並ぶFA市場で補強に動くことが有力視されており、地元紙「ニューヨーク・ポスト」のジョエル・シャーマン記者は「もしヤンキースが大物遊撃手を獲得するならば、それはコリー・シーガーかマーカス・セミエンになるだろう」と自身の意見を述べている。また、シャーマンはアストロズのサイン盗み問題を考慮し、ヤンキースがコレアの獲得に動くことはないと考えているようだ。

「MLBパイプライン」が公開している球団別プロスペクト・ランキングでは、ヤンキースの上位3人のうち2人が遊撃手となっている。同ランキング1位のアンソニー・ボルプ(2019年ドラフト1巡目指名の20歳)と同3位のオズワルド・ペラザ(ベネズエラ出身の21歳)はいずれも2023年ごろのメジャー昇格を予想されており、大物遊撃手を長期契約で獲得するのがチーム状況に合わないのも事実。キャッシュマンはどんな形で遊撃手のグレードアップを実現するのだろうか。

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