宮城の6選挙区、舌戦始まる 衆院選公示

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 衆院選は19日公示され、宮城県内の6小選挙区に前回より1人少ない17人が立候補を届け出た。秋が深まる中、繁華街や田園地帯、沿岸部を選挙カーで駆け回る候補者たち。31日の投開票に向け、新型コロナウイルス対策を中心に与野党の舌戦が始まった。

宮城1区

 立憲民主党の岡本章子氏は午前9時、仙台市青葉区の勾当台公園で第一声に臨んだ。支持者約130人を前に「格差と分断はコロナでさらに拡大した。命、子ども、暮らしを守る」と強調。児童手当の拡充などに「『チルドレン・ファースト』で取り組む」と述べた。
 午前は青葉区、午後は太白区を中心に遊説。JR仙台駅前であった1~6区の野党統一候補が勢ぞろいする演説会にも参加した。
 日本維新の会の春藤沙弥香氏は、青葉区のアエル前で第一声を上げた。通行人に手を振りながら「政治家や政党のためでなく、民意が反映される政治を一緒に目指そう」と呼び掛け、党の政策が書かれたビラを一人一人に手渡して回った。
 午後も市中心部で街頭に立ち「必要な人に必要な支援が届いておらず、しわ寄せが女性や子どもに向かっている」として、教育の全面無償化などを訴えた。
 自民党の土井亨氏は青葉区のアーケード前で第一声のマイクを握った。同日選となった知事選で5選を狙う現職村井嘉浩氏ら約200人が見守る中、「政権交代を叫ぶだけで、どういう日本をつくるのかは抽象的だ」と野党を批判した。
 昼は仙台駅前で、応援に駆け付けた岸田文雄首相(自民党総裁)と街宣車から演説。「自公連立でこの国に責任を持たせてほしい」と声をからした。
 無所属の大草芳江氏は県庁西側での第一声で「真に豊かな日本のためには、土地に根差した資源で人を育て、産業を育むことが不可欠」と主張。終了後、近くにあった掲示板に自ら選挙ポスターを貼った。
 続く市中心部での街頭演説では「日本の研究開発力は低下している」と、子どもが知的好奇心を育む重要性を指摘。午後は市内を自転車で移動しながらポスター張りに励んだ。

宮城2区

 立憲民主党の鎌田さゆり氏は仙台市泉区の商業施設前の第一声で「この4年間、次は絶対に勝つという思いで過ごしてきた」と強調した。選挙カーや「変えよう」と書かれたのぼり旗を挿した自転車に乗り、地盤の泉区を細かく回った。
 午後は泉、宮城野区を巡り、コロナ対策、経済格差の拡大など政権批判を展開し、「税金の使い方を変えよう。政治を転換しよう」と呼び掛けた。
 自民党の秋葉賢也氏は宮城野区のJR仙台駅東口で第一声。市議会議長や県議会議長ら党所属の地元議員から激励を受けた。
 選挙カーで選挙区の宮城野、泉、若林の全3区を回り、人が集まる場所で演説を繰り返した。「与野党激突の厳しい選挙だ」と危機感をあらわにし、「皆さんの命と暮らしを守るのは着実な成果を上げる自公政権以外にあり得ない」と声を張り上げた。
 NHK党の林幸子氏は仙台駅西口で「一般人でも政治を変えられる」と語った。政策ビラを通行人に配り、浸透を図った。

宮城3区

 立憲民主党の大野園子氏は名取市の事務所前で支持者ら約50人を前に第一声。政府の新型コロナウイルス対応を挙げ「感染爆発中に五輪を強行し、国会を開くことも拒んだ」と自公政権の姿勢を批判した。
 選挙カーで名取、岩沼両市など沿岸部から角田、白石両市など内陸部を回った。党参院議員と街頭演説に立ち、「国民目線に立ったまっとうな政治を実現したい」と政権交代を訴えた。
 自民党の西村明宏氏は名取市の事務所で出陣式に臨んだ。第一声で支持者ら約300人に「安心した生活を守れるのは自民党と公明党しかない。夢を形にし、希望を現実にする力を貸してほしい」と述べ、政権継続への支持を呼び掛けた。
 有権者が多い名取、岩沼両市や柴田町などを遊説。「政治の安定こそがコロナを収束させ、疲弊した地域経済を立て直す活力になる」と声を張り上げた。
 無所属の浅田晃司氏は仙台市青葉区の県仙台合同庁舎で立候補の届け出を済ませた後、報道各社の取材に対し「問題がある日本の司法制度がこのまま続くのは危険だ」と主張した。
 地元の丸森町へ戻ると、裁判所組織の在り方を批判し、司法・行政改革の公約を伝える選挙ポスターの掲示を一人で始めた。「学生らに裁判の問題点を知ってもらいたい」と強調。街頭演説はしなかった。

宮城4区

 自民党の伊藤信太郎氏は塩釜市の塩釜神社で必勝祈願後、市内で事務所開きをし、第一声に臨んだ。支持者ら約200人を前に「新型コロナ対策など具体的で総合的な政策を走り回って訴える」と力を込めた。
 選挙区内の首長が駆け付け、「7期目に向けてしっかりと数字を出さないといけない」と呼び掛けた。伊藤氏は塩釜を皮切りに多賀城市、七ケ浜、利府両町を車で回った。
 共産党の舩山由美氏は、塩釜市の事務所前で第一声。保健師の経験を基に「新型コロナの感染拡大で現場は厳しい状況が続く。医療、介護を支える政治に変えよう」と訴えた。立憲民主党の多賀城市議もマイクを握り、野党統一候補としての位置付けを強調した。
 午後は仙台市青葉区で共産の比例代表東北ブロックの高橋千鶴子氏とともに、党の目標の東北で2議席確保へ支援を呼び掛けた。
 日本維新の会の早坂敦氏は富谷市ひより台の商業施設前で第一声を上げた。国会議員の報酬と定数を30%カットする「身を切る改革」や教育費の完全無償化などを挙げ「宮城から日本を変える。しがらみや既得権のない第三極の日本維新の会に、議席を獲得させてほしい」と訴えた。
 大和町や利府町にも選挙カーを走らせ、大和町の商業施設前など複数箇所で、街頭演説をした。

宮城5区

  立憲民主党の安住淳氏は、新型コロナウイルスの影響で観光が苦戦する松島町の文化観光交流館前で第一声を上げた。支持者ら約70人が見守る中、「東北で一番打撃を受けている松島町に今こそ財政支援が必要だ」と訴えた。
 その後は大郷町や大崎市といった内陸部を中心に5市町を選挙カーで回った。街頭で「与党は新型コロナ対策で失敗した。責任を取るべきだ」と追及した。
 自民党の森下千里氏は石巻市恵み野地区で第一声。約200人を前に「政権与党の一員として皆さんの健康と暮らしを守り、地域経済の発展を導きたい」と力を込めた。
 5区内の市議らが駆け付け、「女性の国会議員でなければ解決できない課題を彼女に託したい」などと訴えた。午後には女川町、東松島市、南三陸町、松島町を回り、支持を呼び掛けた。

宮城6区

 自民党の小野寺五典氏は大崎市のJR古川駅前で、支持者約200人を前に第一声を上げた。コロナ下の最優先課題にコメの概算金下落を挙げ、選挙後の補正予算で対応すると強調。「安心して農業を続けられる環境をつくる」と訴えた。
 前回選挙は防衛相として東京で北朝鮮情勢対応に当たり、地元に戻れなかった。今回は初日から栗原、登米、気仙沼の各市で街頭に立ち、支持を呼び掛けた。
 共産党の内藤隆司氏は大崎市古川の事務所前で第一声。約70人を前に「コロナの感染問題から国民の命を守る政治に転換する。医療を充実させて医師や病院のベッド、保健所の予算を増やす」と訴えた。古川の10カ所以上で小まめに街頭演説をこなした。
 宮城6区で初めて野党共闘が成立。第一声には県議会の社民フォーラム県議団に所属する熊谷義彦氏が応援に駆け付けた。

集まった有権者に支持を訴える候補者=19日午後6時55分ごろ、仙台市青葉区のJR仙台駅前
候補者の訴えに拳を掲げて応える支持者ら=19日午前10時45分、仙台市宮城野区榴岡4丁目
候補者の第一声に耳を傾ける有権者たち=19日午前10時35分ごろ、石巻市蛇田