GRヤリス駆る勝田範彦が3連勝で選手権首位に浮上/全日本ラリー第10戦ハイランドマスターズ

 10月15~17日、全日本ラリー選手権第10戦『第48回M.C.S.Cラリーハイランドマスターズ2021』が岐阜県高山市を中心に開催され、TOYOTA GAZOO Racingの勝田範彦/木村裕介組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)が総合優勝。ラリー・カムイ、ラリー北海道に続く今シーズン3勝目を3連勝で飾った。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で無観客開催となった今戦は、6月に群馬県県で開催された第6戦モントレー以来となるターマック(舗装路)イベントとして実施された。

 直前の2戦で勝利を飾り3連勝が懸かるなかでこのラリーハイランドマスターズに臨んだ勝田/木村組は、オープニングステージから速さを発揮する。SS1~6が行われたレグ1ではSS1とSS2でベストタイムをマークすると、SS5でも総合2番手につける福永修/齊田美早子組(シュコダ・ファビアR5)とステージベストタイムを分け合い都合3本のステージを制し、初日を終えた時点で後続に17.6秒差をつけた。

 翌17日(日)のレグ2はコンディション不良のためSS7がキャンセルされ、SS8からSS12まで計5本のSSで争われることに。この日のオープニングステージでは総合2番手の福永が最速タイムを奪うが、続くSS9はふたたび勝田がステージ優勝を飾りギャップを23.1秒にまで拡げる。

 しかし、すでに今季3勝をマークしている福永も意地を見せSS10、SS11で連続ベストタイムを記録。これにより両者の差は9.6秒に縮まった。

 だが、追い上げはここまで。最終SS12は勝田が今大会5度目のステージウインで締め、計7本のステージで最速タイムを記録した福永に11.0秒差をつけて総合優勝を飾った。総合3位で表彰台の残り1枠を獲得したのは鎌田卓麻/松本優一組(スバルWRX STI)。トップとは35.9秒差だった。

 奴田原文雄/東駿吾組(トヨタGRヤリス)が総合4位。眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)が総合5位となり、6位以下は新井敏弘/田中直哉組(スバルWRX STI)、新井大輝/小坂典嵩組(スバルWRX STI)、柳澤宏至/保井隆宏組(シュコダ・ファビアR5)となっている。

 この結果、シリーズランキングでも勝田が獲得点数を118ポイントに伸ばし、福永を3ポイント差で逆転してランキング首位に浮上している。ランキング3位は79.4ポイントの柳澤だ。

 JN-2クラスはヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(トヨタ86R3)が制し、最終戦を残して年間チャンピオンに。またJN-4クラスの西川真太郎/本橋貴司組(スズキ・スイフト)も今戦で王者獲得を確定させた。JN-3クラスは鈴木尚/山岸典将組(トヨタ86)が優勝し、JN-5では小川剛/梶山剛組(ホンダ・フィット)、JN-6は山本雄紀/佐野元秀組(トヨタ・ヤリス)がクラス優勝を飾っている。

 全日本ラリー選手権の次戦は愛媛県久万高原町周辺で行われる第4戦『久万高原ラリー2021』だ。今戦と同様にターマックで争われるイベントは当初、5月の開催が予定されていたが、コロナ禍の影響で10月15~17日にリスケジュールされ2021年シーズンの“実質”最終戦として実施されることになった。

鎌田卓麻/松本優一組(スバルWRX STI)
眞貝知志/安藤裕一組(トヨタGRヤリスGR4ラリー)
新井敏弘/田中直哉組(スバルWRX STI)
新井大輝/小坂典嵩組(スバルWRX STI)
ヘイキ・コバライネン/北川紗衣組(トヨタ86R3)
鈴木尚/山岸典将組(トヨタ86)
西川真太郎/本橋貴司組(スズキ・スイフト)
小川剛/梶山剛組(ホンダ・フィット)
山本雄紀/佐野元秀組(トヨタ・ヤリス)

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