北朝鮮、新型SLBMの潜水艦発射実験に成功=国営メディア

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北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)は20日、同国が19日に新型の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験に成功したと伝えた。

KCNAによると、この新型SLBMには「側面機動および滑空跳躍機動をはじめ多くの進化した制御誘導技術が導入」されており、2016年のSLBM発射実験で使用した潜水艦「8・24英雄艦」から再び発射されたという。

KCNAは北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)総書記については言及しておらず、金氏が発射実験に立ちあわなかったことを示唆している。

北朝鮮はここ数週間、ミサイルの発射実験を繰り返している。9月30日には新型対空ミサイルを、同28日には新たに開発した極超音速ミサイル「火星8」、同12日には新型長距離巡航ミサイルを発射した。

国連安保理は北朝鮮の核兵器や弾道ミサイルの開発を禁止している。弾道ミサイルは巡航ミサイルに比べ、強力な弾頭を数多く積載できるほか、射程範囲も広く、航行速度も速いとされている。

日本の防衛省と韓国軍は19日、北朝鮮が弾道ミサイルを発射し、日本海に落下したと発表していた。

韓国メディアは、今回のミサイルの飛行距離は約450キロで、最高高度60キロに達したと報じた。

日本の岸田文雄首相は19日、ミサイル2発が発射されたと明らかにしたうえで「大変遺憾」と記者団に語った。

「潜水艦発射」の重要性

北朝鮮は2019年10月、SLBM「北極星3」を海中から発射した。

KCNAは当時、「外部勢力の脅威」を最小限に抑えるため、通常よりも高角度で発射したと伝えた。

垂直ではなく標準的な軌道で発射されていれば、飛行距離は約1900キロに達していた可能性がある。つまり、韓国全土と日本全土を射程におさめられることになる。

また、SLBMは地上配備型に比べて発見が難しく、目標により接近できる可能性がある。


北朝鮮による今回の発射実験は、韓国がミサイル開発を進める中で行われた。朝鮮半島で軍拡競争が進行しているとの観測もある。

19日には、韓国・ソウルで同国史上最大の防衛展示会が開幕した。新型の戦闘機やミサイルなどの誘導兵器が披露されると報じられている。また、韓国は独自の宇宙ロケットを間もなく発射する予定。

1953年に朝鮮戦争が終わった後も、韓国と北朝鮮は和平合意を結んでおらず、事実上の戦争状態にある。

金総書記は11日の演説で、朝鮮半島における戦争は望んでいないと述べた。

一方で、アメリカが敵対的な態度を崩さないため、兵器開発によって戦争抑止力を高める必要があると語った。


こうした中、日米間の情報当局トップはソウルで北朝鮮対策について協議している。

アメリカのソン・キム北朝鮮担当特別代表は、朝鮮戦争終結を公式に宣言すべきかどうかなど、北朝鮮との対話をどのように再開するのかについて議論するとみられる。

ソン氏はこの24時間、ジョー・バイデン米政権が前提条件なしに北朝鮮との対話に応じる用意があると繰り返し表明している。

ドナルド・トランプ前米大統領と金氏の会談は、非核化をめぐる根本的な意見の相違から決裂に終わった。

アメリカは制裁緩和より先に北朝鮮が核兵器を放棄することを求めているが、北朝鮮はこの要求を拒否している。

(英語記事 North Korea confirms sub-launched missile test