乳がん検診、血液で 沖縄など5道県で検証へ 協力者募集

 国立国際医療研究センターと日本対がん協会などは14日、那覇市の那覇西クリニックで乳がんの精密検査を受ける40~69歳の女性を対象に、血液を使った新たな検診手法を試験的に導入し効果を検証すると発表した。血液中の微小な物質「マイクロRNA」の量を調べる。実用化できれば、現在一般的なマンモグラフィーに比べて身体的負担を下げられる可能性があり、関係者は協力者を募っている。

 検証は那覇西クリニックで11月から来年3月に乳がんの精密検査を受ける人を対象とする。100~200人が目標だ。

 乳腺エコー検査時に採血する。マイクロRNAの測定結果と精密検査結果を比較して精度を調べる。血液検査は1回限りだが、がんとなっていないかを追跡調査する。研究段階のため血液検査の結果は伝えない。

 沖縄のほか、鹿児島、愛媛、福井、北海道の5道県でも検証を実施する。

 2014~18年に行われた先行研究では、2600種のマイクロRNAの多寡を調べることで、13種類のがんや認知症の早期発見につながる可能性が示されたという。

 乳がんでは5種類のマイクロRNAの量を調べる。

 那覇西クリニックの玉城研太朗診療部長は14日、県庁で会見し「よりよい精度の健診システムができるといい」と期待を込めた。

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