スモールハウス事業始動 [ビッグハウス(高原)] 2×4木製コンテナ 趣味や店舗用途多様

ビッグハウスがCGで制作した「スモールハウス」イメージ図(同社提供)

 ツーバイフォー(2×4=枠組み壁工法)の製造・加工組立を行う「ビッグハウス」(高原町、立箱(たてばこ)尚登社長)は2×4の木製コンテナ「スモールハウス事業」を本格始動させる。さまざまな用途・目的に対応でき、販売だけでなくリースも想定。また事業の可能性を広げ、商品としての魅力・自由度を高めたいと「秘密基地」をテーマにしたデザインを一般公募している。入賞作品はアイデアそのままに再現し、同社工場隣に11月に仮オープンするコミュニティースペース「WOODIY(ウッディー)」で展示・公開されるほか、最高賞金30万円が贈られる。

 スモールハウスは使い方自由で勉強部屋、トランクハウス、カラオケやヨガなど趣味を楽しむ部屋、プライベートサウナ、店舗、ユーチューブ配信スタジオなど、依頼主のさまざまな要望に応える。「かゆいところに手が届く仕上げで『あなた好みの部屋』を形にしたい」と立箱社長(68)。

 着想のきっかけは新型コロナウイルスの感染拡大。プライベート時間を充実させたいというニーズと、コンテナハウスへの関心が国内で高まっており、立箱社長は「在宅での過ごし方に個性を出すのは楽しいという考え方、その価値に多くの人が目覚めた」と手応えを感じている。

 また近年相次ぐ大雨被害や地震など災害も事業化の動機付けの一つ。2×4工法は美しい木目や木の香りで人を和ませる。将来的には、被災し住む家を失った人が少しでも心安まる仮設住宅として役立てることも視野に入れる。

 2×4工法はぬくもりある木質感のほか、高い密封性で室内の冷暖房効果が高いなどの特長がある。これまで本県、熊本県などから10棟ほど受注。既に小林市に1棟が完成し、仕事をリタイアし第二の人生を楽しむ人々のサロンとして機能している。

 最大サイズは間口2・35メートル、奥行き5・46メートル、高さ2・8メートル。価格は大きさや設備によって決まり、坪単価の目安は25万~30万円(外装・内装仕上げ込み、サッシ、蛍光灯とコンセント2カ所付き)。シャワーやトイレなど水回りはオプション、設置費用は別途必要。

 リースは5年間など期間を設け、料金は最安で月1万円程度(保険、メンテナンス代込み)を想定。期間終了後は更新や買い取りも可能で、子どもの勉強部屋など役割が終われば同社へ返却できる。立箱社長は「引き取ったスモールハウスは補修や修理をして別の目的に転用するなど、ずっと大切に使い続ける」と言い、SDGs(持続可能な開発目標)を意識した事業展開を描く。

 コンペの入賞作品15点は来年1月以降、モデルハウスとして順次製造される。立箱社長は「自社の発想だけでは凝り固まった物づくりに陥ってしまう。『こんなのはできない』と決め付けず、自由でわがままで、ワクワクするデザインを寄せてほしい」と呼び掛けている。

 ■スモールハウスコンペティション2021

 【テーマ】秘密基地

 【審査】提出図面、絵などによる1次審査、オンラインによるプレゼンテーション・質疑応答など公開2次審査を経て12月末に最優秀賞1点を含む入賞15点を決定する。

 【賞金】最優秀賞30万円。そのほかの入賞は5万~20万円。

 【締め切り】11月30日(当日消印有効)。詳細はホームページ。ビッグハウス(電話)0984(42)4666。

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