【世界体操】待望論再燃 はいあがったキング・内村航平に「国民栄誉賞」を!

決勝進出を決めた内村(写真:アフロスポーツ)

キングに勲章を――。体操の世界選手権(20日、北九州市立総合体育館)の男子予選で内村航平(32=ジョイカル)が種目別の鉄棒で14・300点をマーク。自己ベストを大きく下回ったが、5位で24日の決勝進出を決めた。会場に詰めかけた地元ファンから大きな拍手を受けた内村は「今回は生まれ故郷でもあるので、拍手に温かみをすごく感じたし、やっと本物の世界大会になったなという感じがありますね」と充実感を漂わせた。

そんな体操界のキングに対して「国民栄誉賞をあげるべき」との意見が再浮上している。もともと体操界では五輪2連覇、世界選手権6連覇の大偉業を持つ内村を巡って同賞を期待する声は多く、2016年リオ五輪で連覇を達成した際にも議論となっていた。近年はケガの影響もあって満足なパフォーマンスができていないが、今夏の東京五輪代表枠を僅差で勝ち取ったことで「3大会連続金メダルなら国民栄誉賞は間違いなし」とささやかれていた。

だが、東京五輪では予選で鉄棒から落下して〝終戦〟。一度は機運がしぼみかけたものの、今回の世界選手権で待望論が再燃している。体操関係者は「ここで復活金メダルなら国民栄誉賞を」と熱望。仮に結果が伴わなくても「長年にわたって体操界に貢献してきた功労者」との意見も根強く、今大会でも見せている圧倒的な人気も相まって受賞を推す声は多い。

地獄からはいあがったキングが受賞となれば、話題性は十分。体操界にとっても初の快挙となるが…。周囲の思いは政府へ届くのか。

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