岸田首相 地元遊説のウラでNHK党候補の“凸撃計画”あった! 緊迫一部始終

© 株式会社東京スポーツ新聞社

演説する岸田首相(東スポWeb)

衆院選(31日投開票)2日目となった20日、自民党の岸田文雄首相(64)は就任後初めて地元・広島入りし、応援行脚した。前日の公示直後、北朝鮮がミサイル発射すれば、この日は熊本・阿蘇山が噴火。外圧と自然災害に見舞われ、野党からは危機管理対応を批判され、踏んだり蹴ったりの中、地元凱旋でも野党候補から〝突撃未遂〟される騒動があった――。

岸田首相はこの日、午前中から兵庫県内を遊説したが、阪急伊丹駅前で街頭演説していた午前11時43分に阿蘇山が噴火。直後に松野博一官房長官に、人命第一に対応するよう指示した。さらに自身のツイッターで「周辺地域の皆さん、最新情報に注意し、警戒をお願いします」と呼びかけ、「官邸に『情報連絡室』を設置し、情報収集をしています。状況に変化があれば随時報告が入る体制を取っています」などと投稿した。

危機管理をめぐっては、前日の公示直後に北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射。岸田首相は東北遊説中で、松野官房長官も官邸に不在で、野党から「危機管理対応がなっていない」と批判を浴びたばかりだ。

噴火は不可抗力とはいえ、この日も立民の枝野幸男代表や蓮舫代表代行には、政府対応が後手に回っていることや防災相の人事にかみつかれた。

前日は東北遊説を取りやめて帰京した岸田首相だが、この日はそのまま予定続行で、広島に入った。首相就任してから初となる帰郷だけでなく、大型買収で公選法違反罪に問われた元法相の河井克行被告の事件で、改めておわびする必要があったからだ。

広島入りして最初の演説地となったJR横川駅前で待ち受けていたのは、広島3区からNHK党公認で立候補したビジュアル系バンド「ジャックケイパー」のYG(やじ)こと矢島秀平氏(29)だ。同じくバンドメンバーの李九(りく)こと井田恵介氏(29)とともに岸田首相にある〝凸計画〟を練っていた。

自民党で相次ぐ政治とカネの問題に対して声を上げていた2人だけに、怒りの抗議文になるかと思いきや、首相が菅義偉氏から岸田氏に代わったことで、変化があったという。

矢島氏は「自民党は好きじゃないが、岸田首相には期待している。手紙を渡そうと思って、NHK党が中国比例ブロックでの得票率が2%超えたあかつきには、ぜひNHKのスクランブル化を検討してもらいたい旨を書いた。また、もし自分が当選したならば、首相指名では岸田さんに入れるとも書いた。まあ、自分自身の決意表明と岸田さんへの愛の告白文みたいなものです」と話す。

ただ矢島氏は前頭部から頭頂部をそりあげた落ち武者ヘアで、鼻や口にはピアス姿。この日は「NHKをぶっ壊す」がプリントされたTシャツを着用し、SPからは警戒された。直談判しようものなら揉める恐れもあったが、意外にも岸田首相の方が聴衆の方へ駆け寄り、グータッチで触れ合い始めた。

これはチャンスとばかりに矢島氏は群衆をかき分け、岸田首相の前に立ったが「岸田さんがグーできたので、思わずグーで返した。ちょっと興奮しちゃいましたね」(矢島氏)。そのせいで手紙は渡しそびれてしまったという。

続くJR緑井駅での街頭演説会も矢島氏は押しかけたが警備が厳しく、近寄ることができず。結局、時の首相に直談判する千載一遇のチャンスをふいにした。

井田氏は「グータッチしている場合じゃない。YGは肝心なところが抜けていて…」と肩を落としたが、矢島氏は「岸田さんはみんなの意見に耳を傾けるというので、手紙はぜひ事務所の方に届けたい。岸田さんへ約束を実行するためにも選挙では自分たちの政策を訴えたい」と誓った。