「選択的夫婦別姓」、自民党と立憲民主党の公約の違いは?

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。10月13日(水)放送の「FLAG NEWS」では、“選択的夫婦別姓”について取り上げました。

◆岸田新政権、選択的夫婦別姓に関して党内に配慮!?

自民党は衆議院選挙に向けた公約を発表。新型コロナ対策については、人流抑制や医療提供体勢確保のため、行政がより強い権限を持てるための法改正を行うと掲げています。また、経済対策では「成長」と「分配」を柱とした対策で新たな成長軌道に乗せていくとし、賃上げに積極的な企業への税制支援などが盛り込まれました。さらに、日本の先端技術や戦略物資の海外への流出を阻止するため、経済安全保障推進法を策定するとしています。

一方、原案に記されていた選択的夫婦別姓制度を巡っては、「夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方についてさらなる検討を進める」との一文が削除。制度導入に関しては党内で意見の隔たりが大きく、慎重派に配慮した可能性がありますが、高市早苗政調会長は記者会見で「公約が衰退したわけでは決してない」と強調しました。

インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんは、将来的に結婚を意識する年齢を迎えることを想像すると、選択的夫婦別姓は自分ごととして関心が高く「今回、公約に入らなかったことはとても残念」と惜しみます。

この選択的夫婦別姓について、自民党と立憲民主党の公約を見比べてみると、自民党が「氏を改めることによる不利益に関する国民の声や時代の変化を受け止め、その不利益をさらに解消する」としている一方で、立憲民主党は「選択的夫婦別姓制度を早期に実現する」としています。

この違いを鑑み、能條さんは「自民党は通称使用の拡大を重視しているが、これはさまざまなところでコストがかかり、試算によると選択的夫婦別姓を実現したほうがいろいろな制度を変えずに済むから結局早いという話もある」と自民党の公約を疑問視。

その上で、「このまま通称使用の拡大でいきたいなら、どうしたら今困っている人たちが納得できるのか、そこまで示してほしい」と訴え、「当事者が通称使用でもいいと思えないからこそ選択的夫婦別姓の声が高まっている。具体案を示すことでようやく始まる。今は当事者の痛みを重要視されていないように感じてしまう」と指摘します。

他方、株式会社POTETO Media代表取締役の古井康介さんは、「岸田政権は選択的夫婦別姓などを推進するイメージがあったので驚いた」と率直な思いを語ります。

なお、選択的夫婦別姓以外の公約も紹介。LGBTについては、自民党が「性的指向・性自認(LGBT)に関する広く正しい理解の増進を目的とした議員立法の速やかな制定を実現」としているのに対し、立憲民主党は「LGBT平等法の制定や、同性婚を可能とする法制度の実現を目指す」と主張。

また、金融所得課税については、自民党は記載なし。立憲民主党は「株の売買・配当利益などへの金融所得課税の強化をする」と公約に掲げています。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag

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