朝鮮のミサイル開発、米国の二重基準は「憂慮に堪えない」 外務省スポークスマン、国連安保理の動きに警告

朝鮮は、19日に行った新型潜水艦発射弾道弾試射に対する米国の反応が自衛権行使に対する否定だとして憂慮を示した。

外務省スポークスマンが20日、朝鮮中央通信社記者の質問に答えた。

スポークスマンは、「新型潜水艦発射弾道弾の試射は、中長期的な国防科学発展計画を遂行するための正常な活動の一環であり、周辺諸国と地域の安全にいかなる脅威や被害も与えていない」と指摘。

朝鮮外務省庁舎

 そして米国ホワイトハウスのスポークスマン、国務省のスポークスマン、インド太平洋司令部などがこれを国連安保理の決議違反とし、国連安保理の緊急会議招集を要請するなどの動きを見せていることに言及、「われわれは、米国が主権国家固有の正当な自衛権行使に不正常に反応していることに対して憂慮に堪えない」と表明した。

 そして金正恩総書記が11日、国防発展展覧会の開幕式で行った演説で、朝鮮の抑止力は特定の国家や勢力を狙ったものではなく、戦争そのものを防止し、国権を守るためのものであると述べ、米国と南朝鮮を主敵の対象から排除したことに言及。「われわれの今回の試射は米国を意識したり、狙ったものではなく、ただ国家防衛のために以前から計画した事業であり、米国はこれについて憂慮したり、悩む必要がない」と強調した。

新型潜水艦発射弾道(SLBM)の試射が行われた。(朝鮮中央通信=朝鮮通信)

 米国が保有もしくは開発中にある同一の兵器システムを朝鮮が開発、試験するからといって非難するのは、明白な二重基準であり、これは朝鮮を敵視しないというバイデン政権の言明と矛盾するというのが朝鮮の主張だ。

 スポークスマンは、「米国と追随勢力があくまでも間違った行動を選択するならより重大で深刻な結果を招きかねない」「われわれはすでに米国と国連安保理が危険な『時限爆弾』をいじっていることに対して強い懸念を表したことがある」と警告した。

 金正恩国務委員長は9月に最高人民会議で行った施政演説で、「米国の二重基準的な行為を黙過すれば、敵対勢力がそれを既定事実化してわれわれを翻弄しようと飛びかかるかも知れないと」述べ、「われわれの国権を侵害しようとすることに対しては、絶対に許さずに強力な国家的対応措置を取らなければならない」と語っている。

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