ファーウェイ、サウジで世界最大の電力エネルギー貯蔵プロジェクトを契約

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アラブ首長国連邦のドバイで18日まで開催されていたグローバル・デジタル・パワー・サミットで、中国企業の華為数字能技術(ファーウェイ・デジタルパワー)などが、サウジアラビアで進められる1300メガワット時のバッテリー貯蔵システムを建設するなどの契約を、サウジ側と結んだことが分かった。同種では世界最大のエネルギー貯蔵施設になる見込みという。

プロジェクト名はレッド・シー・プロジェクト(紅海プロジェクト)で、サウジアラビアが進めている「サウジビジョン2030」の主要プロジェクトに位置付けられている。華為技術(ファーウェイ)傘下の華為数字能技術(ファーウェイ・デジタルパワー)と山東山東電力建設第三工程が、紅海プロジェクトの開発者であるACWAパワー及び総合建設請負業者のSEPCOIIIと、1300メガワット時のバッテリー貯蔵システムの建設などで契約を交わした。

ファーウェイ・デジタルパワーは2021年6月の設立だが、ファーウェイ側によると、蓄電システムの研究はすでに10年以上続けており、8ギガワット時(8000メガワット時)の蓄電技術の応用についての経験を蓄積しているという。

世界では、気候変動の問題が重視されるにつれて、太陽光発電や風力発電などの「再生可能エネルギー」への注目が高まってきた。大きな問題の一つは、従来型の火力発電や原子力発電とは異なり、24時間体制で安定した発電量を維持することができないことだ。そのため、太陽光発電や風力発電と大規模充電を組み合わせる取り組みが行われている。

これまで注目された事例としては米国の電気自動車製造会社として知られるテスラがオーストラリアで行った同国初の大規模蓄電装置の稼働がある。電気自動車情報などを扱う英語サイトのelectrek(エレクトレック)によると、南オーストラリア州では、必要に応じて周波数制御などのために実施するFCASという操作について、テスラの電池によるサービスが55%以上を占め、価格も90%低下したという。

ファーウェイなどがサウジアラビアで取り組む大規模充電のシステムは、現地での太陽光発電を支えるためのもので、石油資源の枯渇という事態に備えて、経済成長の新たな方向性を確立する目的があるとされる。

電力は、現代社会を運営するために欠かせないエネルギーではあるが、「貯蔵することが難しい」という問題はつきまとった。電気自動車などの利用が最近になり本格化してきたのは、科学技術の進歩により、高性能の電池が実用化されてきたおかげだ。

ただ、大規模充電施設については、「絶対に安全で絶対に安定している技術」がどこまで確立されているのかということについいて、疑問もやや残る。スタートアップ関連の情報サイトであるTechCrunch Japan(テッククランチ・ジャパン)などによると、テスラの大型バッテリーシステム「メガパック」は7月30日、オーストラリアの蓄電施設で発火事故を起こしている。

大規模充電施設については、能力やコストだけではなく、「完璧とも言える信頼性があるかどうか」についても、参入企業が競い合う状況になりそうだ。

ファーウェイ・ジャパンの関係者によると、ファーウェイは電力を一瞬でも途絶えさせることのできない移動通信用の基地局やデータセンターなどの事業を手掛けてきた経緯があり、そのために蓄電技術や省エネ技術についても大きな蓄積があるという。

なお、ファーウェイがサウジアラビアに建設される大規模蓄電施設について受注したことは、株式市場にも大きな影響を及ぼした。ファーウェイ自体は株式を上場させていないが、中国国内では大規模蓄電やリチウム電池に関連するセクターの株価が高騰する現象が発生した。香港メディアの鳳凰網によると、深セン証券取引所に上場している申菱環境は株価が20%上昇してストップ高になった。その他にも、ストップ高になったり歴代最高値を更新する銘柄が続出したという。(編集/如月隼人)