【大学野球】燕1位の法大・山下が9回無四球零封 「意識した」鷹2位の慶大・正木を無安打に封じる

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慶大戦に先発した法大・山下輝【写真:小林靖】

3打数無安打2三振の正木は“脱帽”「直球が強くなっていた…」

2000人の観客の視線はドラフト上位指名の2選手に釘付けだった。東京六大学野球秋季リーグは20日、神宮球場で1試合が行われ、法大と慶大が0-0で引き分けた(特別規則で9回打ち切り)。11日の「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」でヤクルトから1位指名を受けた法大・山下輝投手(4年)が先発し、とソフトバンク2位指名の慶大・正木智也外野手(4年)と対峙した3打席。「意識しました」という山下が2三振と三ゴロに仕留める投球で、春に本塁打を打たれた正木にリベンジを果たした。

山下がドラフト1位の実力を見せつけた試合となった。この日まで法大は白星なしの2分け3敗。試合前のウォーミングアップ中、DeNAから4位指名を受けた主将の三浦銀二投手(4年)と「応援してくれている人に申し訳ない。締まった試合をしよう」と話し合った。ブルペンでは感覚が良くなかったというが、「マウンドに上がるとスイッチが入って、直球も変化球も良かった」。打たせて取る投球でアウトを積み重ねていった。

その中でギアが上がったのが、「4番・一塁」で出場した正木を打席に迎えた時だ。「1番打つ打者だと思っている。春に本塁打を打たれているのでそこはやっぱり意識しました」。春季リーグでは直球を捉えられ、左翼席に一発を浴びた。「インコースを使わないと抑えられないので1打席目に使っておこうと思って」と、146キロの直球を投じ、最後はツーシームで三振を奪った。4回の第2打席もツーシームで空振り三振。7回1死二塁で迎えた3度目の対決も三ゴロに打ち取った。

「直球が強くなっていたのと、甘い球がなかった。1球で仕留めていこうという中でなかなかその1球がなかったというのが春と違うところだと思います」と正木はライバルの成長を打席の中で感じ取っていた。

山下は108球を投げ3安打5奪三振無四球で9回を完投。「四球は出さない方だと思っているので……無四球で流れは作れたのかなと思います」と笑顔で振り返った。法大・加藤重雄監督も「100点満点。山下におんぶに抱っこです」と圧倒的な投球を見せた左腕を称えた。法大はこれで3分け3敗の5位。東大、明大と激突する残り4試合に向け、ドラ1左腕は「1勝でも2勝でも。1つでも多く勝ってリーグ戦を終えたい」と力を込めた。(市川いずみ / Izumi Ichikawa)

市川いずみ(いちかわ・いずみ) 京都府出身のフリーアナウンサー、関西大学卒。元山口朝日放送アナウンサー時代には高校野球の実況も担当し、最優秀新人賞を受賞。NHKワースポ×MLBの土日キャスター。学生時代はソフトボールで全国大会出場の経歴を持つ。