CAFÉ JAPAN BLUE GARDEN 〜 ジーンズメーカーが提案する新たな食文化「藍食」

デニム生地を青色に仕上げる染料が、藍(あい)という植物から作られることを知る人は多いでしょう。

しかし、藍を食べられることを知っている人はどれだけいるでしょうか?

ジーンズブランド 桃太郎ジーンズを展開するJAPAN BLUEでは、藍を「衣」だけでなく、「食」でも楽しめる取り組み「藍食」をスタート。

桃太郎ジーンズ児島味野本店に併設するCAFÉ JAPAN BLUE GARDEN(カフェ ジャパン ブルー ガーデン)に、武本知花(たけもと ちはな)さんが足を運び、藍食を楽しんできました。

「藍食」という新たなジャンルはどのようなものなのか、店舗のようすや開発経緯とともに紹介します。

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENの紹介

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENは、倉敷市児島のジーンズストリートにある桃太郎ジーンズ児島味野本店に併設するカフェです。

デニム生地を青色に染めるときに使用される植物の藍を使ったお菓子やドリンク、「藍食」を楽しめるのが特徴。

2021年4月27日にリニューアルオープンした桃太郎ジーンズ児島味野本店とともに、CAFÉ JAPAN BLUE GARDENでも新たな取り組みとして「藍食」をスタートしました。

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENの見どころと商品について、店長の松田祐磨(まつだ ゆうま)さんに教えていただきます。

店長の松田祐磨さん

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENの店舗

店舗の外観

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENは、桃太郎ジーンズ児島味野本店の入口に向かって右側にあります。

桃太郎ジーンズ児島味野本店は、郵便局を改装した建物で、CAFÉ JAPAN BLUE GARDENも古民家を改装した建物です。

▼写真の奥にある白い建物が桃太郎ジーンズ児島味野本店で、手前にある建物がCAFÉ JAPAN BLUE GARDEN。

ちなみに、店舗の正面にあるプランターに植えられた植物が藍

▼自然な状態では、青色ではないようです。

店舗の内観

店内に足を運び、最初に目に留まるものは木製のカウンター。

▼カウンターの正面は、デニム生地から作られた壁紙「シンデニム」で装飾されています。

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENでは、テイクアウトのみでの商品を提供。

購入した商品は、ジーンズストリートを歩きながら楽しむことも、店舗の奥にある裏庭で味わうこともできます。

▼エスプレッソマシーンは、「ラ・マルゾッコ(LA MARZOCCO)」というイタリアのメーカーが手掛けました。

「ラ・マルゾッコ」は、職人の技能を大切にしているメーカーで、職人の手作業でエスプレッソマシーンを製作しています。

職人の手作業によるジーンズ作りにこだわるJAPAN BLUEと共通する理念を持った企業によって作られました。

ちなみに、エスプレッソマシーンの色は白桃をイメージしており、世界で一つだけの特注品です。

裏庭のようす

裏庭は、こぢんまりとしていてかわいらしい印象。

▼店舗の壁に沿って木製のテーブルとイスがあり、購入した商品を楽しみながら休憩できます。

※現在はテーブルを撤去しています。

裏庭でも藍を栽培。

筆者が訪れたときは、ちょうど藍が花を咲かせていました

▼藍の花は、鮮やかなピンク色をしています。

藍食が生まれた背景

藍の歴史

JAPAN BLUEの代表取締役 真鍋寿男(まなべ ひさお)さんは、藍染め職人として徳島で修業を積みました。

かつて徳島では、藍は薬草としても食べられており、衣類だけでなく食習慣においても藍が生活のなかに存在していたそうです。

真鍋さんは、藍から採れた染色液の状態を舐めて確認していたこともあり、藍を食べることは真鍋さんにとって自然なことでした。

「古来から食生活にも浸透していた藍の持つ可能性を、現代においても広めたい」という想いから、藍食を発案。

藍染め職人として、藍と長年にわたり関わってきた真鍋さんの想いから、藍食の取り組みが始まったのです。

藍香茶(Ai Tea)の開発経緯

藍は、日本人にとって馴染みのある日本茶や紅茶のような味ではないそうです。

そこで現代の生活においても、藍を楽しめるようにするために、お茶づくりの専門家である岡山辻利園との共同開発を行ないました。

ローストの温度加減や、粉砕方法で味が変化することがわかり、日本人にとって親しみやすい味を目指したそうです。

そして、日本茶でもなく紅茶でもない、新たなお茶 藍香茶(Ai Tea)が完成しました。

藍香茶に使用されている藍は、徳島県で育てられています。

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENのメニュー紹介

ドリンクメニュー

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENで提供しているドリンクを紹介します。

「青い、ラムネード」はさわやかな青色が目を惹きつける炭酸ドリンク。

コーヒー

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENでは、栽培管理、収穫、品質管理などの項目において、規定された基準を満たした豆を使用したスペシャルティーコーヒーを提供しています。

コロンビア、グァテマラ、ルワンダ、ペルーの4か国で収穫された豆をブレンド。

酸味とバランスを整え、苦すぎず、酸っぱすぎない味を目指しています。

焙煎(ばいせん)は中煎りで、すっきりした味わいのコーヒーです。

コーヒー豆も販売しています。

100グラムで1,800円(税込)、200グラムで2,800円(税込)です。

包装は、壁紙としても使われているシンデニム

デニム生地を、より生活に馴染みのあるものにしようというJAPAN BLUEの想いから、コーヒー豆をデニム生地で包んだそうです。

藍香茶

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENでは、藍香茶の茶葉も販売しています。

1袋1グラム入りで、250円です。

藍香茶には、徳島県で栽培された藍が使われています。

お菓子

藍食のお菓子は全部で4種類。

お菓子は倉敷市児島にある洋菓子店 PIAGET(ピアジェ)と一緒に開発しています。

ジーンズの形をしたデニムメレンゲココナッツ

藍食を楽しもう!

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENで、藍食を味わってきたので、商品の一部を紹介します。

初めて体験する藍は、どんな味がするのでしょうか?

店内のカウンターで注文してから、商品を作ってくれます。

商品を受け取って、かわいらしい裏庭へ。

最初に注文したのは、CAFÉ JAPAN BLUE GARDENの看板商品、「青い、ラムネード」。

▼鮮やかな青色が印象的な炭酸のドリンクです。

見た目の印象とおり、炭酸の刺激と酸味で爽快な口当たり

酸味の正体はレモン。

▼倉敷の老舗飲料メーカー 倉敷鉱泉株式会社の瀬戸内檸檬が使用されています。

次は、藍抹茶ラテを注文。

※現在、藍抹茶ラテは販売しておらず、抹茶ラテの提供です。

▼色は、淡い緑色をしていました。

クリーミーな口当たりで、豆乳に似たまろやかさです。

見た目の印象から、お茶に似た味がするのかと思いましたが、渋みはありませんでした。

最後に、味わったのは藍香茶。

藍の茶葉から、どのような色が生まれるのかは気になるところ。

▼一般的な紅茶より薄い紅で、暖かい印象です。

すっきりとした味わいで、日本茶や紅茶のような渋みはまったくありませんでした

デニムを鮮やかな青色に染め上げる染料とは思えない優しい味。

藍が持つ二面性を楽しむことができました。

CAFÉ JAPAN BLUE GARDENを訪ねて

藍という植物がデニム生地を青色に染める染料の素であることは知っていましたが、実物を見るのは初めて。

筆者の勝手な思い込みですが、青色に対して化学的な印象を抱いてしまい、原料の藍が食べられることには驚きを覚えました。

ところが、お茶にして口に含んでみると、さっぱりとした優しい味

渋みや、苦味が強いだろうと勝手な想像をしていましたが、良い方向に裏切られたという感覚です。

新たなジャンル「藍食」を提供するCAFÉ JAPAN BLUE GARDENに足を運び、藍を味わってみてください。

取材協力

  • モデル:武本知花

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