Red Hat Forum 2021開催、DXの成功はオープンなコラボレーションから

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レッドハットは10月20日、「Open Your Perspective(開かれた知が、新たな未来をつくる)」をテーマに、オンラインで年次イベント「Red Hat Forum 2021」を開催した。同イベントでは、ハイブリットクラウド、クラウドネイティブ開発、自動化といった切り口から技術動向や導入事例の紹介、ライブデモなどが行われた。

Red Hat APAC Innovation Awards、日本から4社受賞

基調講演において、レッドハット 代表取締役社長 岡玄樹氏は、「顧客やパートナーとの関係が強化された1年だった。現在、OpenShiftのマネージドサービスに注力しているが、Amazon Web ServicesやMicrosoft Azureなどさまざまなクラウドサービスから提供しており、利用が増えている」と語った。

また、岡氏は「さまざまな取り組みもパートナーなくしてはできない。デロイトトーマツとHPEによるOpenShiftの協業、NECの5Gソリューションに関する協業を立て続けに発表できたのはうれしい」と、パートナービジネスの好調ぶりを強調した。

同日、Red Hat APAC Innovation Awards 2021が発表されたが、岡氏より日本における受賞団体が紹介された。ハイブリッドクラウド基盤、クラウドネイティブ開発、デジタル・トランスフォーメーションといったカテゴリーから、日立製作所、三越伊勢丹ホールディングス、NTT東日本、東京海上日動システムズ、東京海上日動火災保険が受賞した。

オープンと共有が導くDXの成功

続いて、「Digital Transformation in the new world」というテーマで、RedHat アジア太平洋地域担当 バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのMarjet Andriess氏が講演を行った。

Andriess氏は、「レッドハットは共有から成功が始まると確信している。オープンな視点がもたらす可能性を考えてみてほしい。われわれはオープンソースのテクノロジーとオープンな文化を持っている。お客さまがオープンテクノロジーを、市場や需要の変化に適用していることを喜ばしく感じる。オープンテクノロジーは政府のモダナイゼーションにも使われている」と語り、同社のビジネスにおけるオープン性の重要性を語った。

また、Andriess氏はDX(デジタルトランスフォーメーション)について、次のように述べた。

「新型コロナウイルスによって、DXの対象と手法が変わった。例えば、5Gやエッジの進化により、モバイルのエコシステムができていくだろう。エンドユーザーもテクノロジーによる生活の向上を求めている。われわれは以前からハイブリッドなアプローチをとってきたが、オープンハイブリッドクラウドによって企業のDXを支援している。LinuxコンテナとKubernetesが、モダンなサービスを支えている」

さらに、Andriess氏はアジア太平洋地域のビジネスについて、「アジア太平洋の未来は明るい。マッキンゼーの予測によると、2040年 にはアジアがGDPの50%を占めるとのことで、純資産と可処分所得が増えている。インド、中国、インドネシアは若い世代が多く、デジタルネイティブ世代がテクノロジーを後押しすると考えられる」と説明した。

最後に、「新型コロナウイルスによって、DXが加速している。レッドハットも考え方と変えて、顧客に貢献していく。オープンなコラボレーションによって共有することで、単独では不可能なことを成功に導くことができる。周りには、ひらめきを得る人、新しい知識をもたらす人がいるはず」と、改めてオープンなコラボレーションの重要性を説いて、講演を締めくくった。

Lumadaの開発基盤に採用されているOpenShift

先述したように、日立製作所は「ハイブリッドクラウド基盤」「クラウドネイティブ開発」のカテゴリーにおいて、「Red Hat APAC Innovation Award 2021」を受賞した。同社はデータから価値を生み出すソリューションやプラットフォームを提供し、あらゆる業種の企業の「困り ゴト」をデジタルで解決することを目指し、2016年にLumada事業を立ちあげた。

Lumada事業のソフトウェア開発基盤や稼働環境において、Red Hat OpenShiftを採用しているほか、今後、量子コンピューターを擬似的に再現して、高速に問題を解く同社独自の計算技術「CMOS アニーリング」を活用したLumada ソリューションのコンテナ稼働環境として活用することを検討しているという。

日立製作所 IoT・クラウドサービス事業部 事業主管の加藤晋弘氏は、「Lumadaは自社技術だけではイノベーションの加速においつけない。業界標準のソフトウェアやオープンソースソフトウェアが重要になってくる。Lumadaのコミュニティと強力に連携することで、Lumadaの加速につなげていきたい。レッドハットは、パートナーとして、一緒に活動してもらいたいと考えている。データ駆動型、マイクロサービス、コンテナといった新しい開発において、支援してもらいたい」と述べた。

加藤氏は、Lumadaの今後の展開について、「売上の海外比率を高めることを狙っている。特に、インフラの更新がきている北米のインダストリー分野にチャンスがあると見ている。また、バイデン大統領が製造業支援策を掲げている。北米では、先般買収したグローバルロジック社を足掛かりにして、展開を図っていく」と説明し、「レッドハットは日立がグローバル事業を拡大する上で欠かせない存在」と語っていた。