新型コロナウイルス対策で続いてきた神奈川県内飲食店への営業時間の短縮や酒類提供制限の要請が、25日に約11カ月ぶりに全面解除される。飲食店関係者は歓迎しつつも、客離れや第6波を警戒し、不安を抱えながらの再出発となる。
21日午後7時。横浜市中区の居酒屋は30席がほぼ満席となり、同市西区の会社員男性(60)はカウンターで「これで少しは知り合いを誘いやすくなる」とグラスを傾けた。
規制が始まって以来、「飲食店が目の敵にされ、会食を話題にすることさえ気まずい」と足が遠のいていたが、居酒屋は憂さ晴らしや取引先との関係構築の場として欠かせないという。
「まずは一安心」。同区の飲食店店員の女性(34)は胸をなで下ろす。当初は酒類提供なしで夜間も営業していたが客は減り続け、長らくランチ一本でしのいできた。「新たにランチに来てくれるようになった人が夜も足を運んでくれれば」。冬場に向け再拡大も懸念されるだけに、「昨年末のように忘年会シーズンに影響しないかが心配。しっかりと対策したい」と話した。