審判も成績を公表して「順位表を」 “誤審”続きのMLB、解決策を米メディア提案

三振と判定されたジャイアンツのウィルマー・フローレス【写真:AP】

POで物議を醸す判定続出「プレーより誤審が注目」

プレーオフ真っ只中のメジャーリーグ。白熱した試合が連日行われている、一方で審判の“誤審”が水を差すケースが目立っている。マイナーリーグの一部でロボット審判が試験的に導入される中、米スポーツ専門メディア「ブリーチャー・レポート」は、選手のように審判のパフォーマンスも成績として公表すべきと提案している。

ブリーチャー・レポートは、今季のプレーオフはプレーよりも誤審が注目されていると危惧する。ドジャースとジャイアンツによるナ・リーグ地区シリーズ第5戦では、9回にジャイアンツ・フローレスのハーフスイングが空振りと判定され三振に。ドジャースの優勝決定シリーズ進出が決まったが、ファンからは批判の声が殺到した。19日(日本時間20日)のア・リーグ優勝決定シリーズ第4戦では、9回同点の場面でレッドソックス・イオバルディが投じた一球がボール判定されて物議を醸し、同日のナ・リーグ優勝決定シリーズ第3戦でもドジャース・ビューラーが投じた微妙な一投のボール判定が話題になった。

プレーオフ史上“最も記憶に残る誤審”として、カージナルスとロイヤルズが激突した1985年ワールドシリーズ第6戦のプレーが度々話題になる。1点を追うロイヤルズは9回、先頭のオルタの一ゴロがセーフと判定された。ロイヤルズはこの回に2点を挙げサヨナラ勝ち。3勝3敗のタイとし、そのまま頂点へ駆け上がった。このプレーは現在のチャレンジ制度があれば、ほぼ確実に「判定が覆っていただろう」と解説する。

ロボット審判が導入されれば「後戻りはできない」

現在、議論は審判の役割を人間が担うのが一番の選択肢なのかというところに来ている。独立リーグのアトランティック・リーグやアリゾナ・フォール・リーグで実験導入されたロボット審判による自動ストライクゾーン判定機能は今年、マイナーリーグの一部でも実施された。

だが、ロボット審判が導入されれば「後戻りはできない」とし、代替案があれば「何でもやってみるべき」と主張する。MLBが現在どのように審判の技量を評価しているのかは公にされていない。しかし、審判の“成績”を公開すれば「優れた審判が今日は調子が悪かった」といった考えをファンも理解しやすくなると提案する。

プレーオフの試合をジャッジする審判員も「100%実績主義にできるかもしれない」とし、プレーオフの審判員に選ばれるかどうかの「審判の順位表」を追いかける楽しみすら生まれるかもしれないとしている。一方で、基準に満たない審判を“整理”するのも「容易になる」とも。審判の成績が公にされ、厳格な昇格・降格システムが導入されれば、ロボット審判に飛びつくよりも「パフォーマンスを定量化するよりシンプルな方法になるかもしれない」と述べている。(Full-Count編集部)

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