NICKEY & THE WARRIORS - 路上から生まれたものをずっと大切にしてきた人たちに捧ぐ、結成37年目の自信作

自由になったから80才まで好きにやろう

──コロナ禍にあってリリースが活発ですよね。NICKEY & THE WARRIORSとしては2年振りだけど、去年はソロのリリースがあり。

NICKEY:ウォリアーズの前作『ONE FROM THE HEART』(2019年)以降、この2年でソロのシングルも入れると今回で4枚目なのかな。

──ウォリアーズとソロの2枚組ベストアルバム『あたしのとりこ All time best 1985~2013』もあったよね。

NICKEY:あ、それを入れたら5枚、2枚組だから6枚になるんですね。

──ソロのシングル「LOVE×HURTS」は2020年6月に急遽リリースしたものでしたよね。やらなきゃ! みたいな気持ちもあって? こういうときだからこそリリースしなきゃ! っていう。

NICKEY:去年、「LOVE×HURTS」を急遽リリースしたのは、ソロのミニアルバム『太陽はひとりぼっち feat.森重樹一』が5月リリースって決まってたんだけど、コロナでライブはできないし活動が制限されて9月に延期になって。でもあたしはそのとき、今だから音源を出したいって気持ちが強くあったんです。だったらシングルを出そうってあたしが勝手に決めて。完全にあたしのわがまま(笑)。

──活動を止めたくなかった、止まりたくなかったっていう思いが?

NICKEY:そうですね。止まりたくないし、動いてることで自分も元気になるし、ファンの人が1人でも元気になれば嬉しいし。逆に活動を止めるのも勇気だと思うんです。どっちがどうってことではない。ただあたしは止めたくなかった。一昨年、ウォリアーズ結成35周年の企画をやって40周年のイメージもちょっとあったしね。もっと活動していこうって思ってたときに個人的なことでいろいろあって。やっと落ち着いて、よし行くぞ! ってときに今度はコロナで。だからって活動を止めたくないな、やれる範囲でやれることをやろうって思ったんです。

──その個人的なことは、プライベートなことだから答えにくかったら答えなくていいんだけど…。

NICKEY:全然大丈夫ですよ。

──ありがとう。ここ数年でNICKEYさんはご両親を続けて亡くされて。

NICKEY:そうなんです。

──その話をちょっとしたのは、一緒にやらせてもらってる「食レポ」(NICKEY & THE WARRIORS公式YouTubeチャンネル『食べたらお腹がパンクしちゃった』)の帰り、「あたしは自由になったから、80才まで好きにやるの」って言って。この人はなんてカッコイイんだ! って思った。

NICKEY:あ、言いましたね。

──つらい思いをしてご両親を看取って、だからこその言葉だと思うし、ホント、カッコイイなぁって。

NICKEY:いやいや。あたし、親に隠れてバンドやってたから(笑)。ずっと隠してたわけじゃないですよ。前に交通事故に遭って親は心配して、もうバンドは辞めますって言っちゃった(笑)。そこからは隠れてやってたんで(笑)。これからは好きに自由に堂々とできるなって。

──やっぱカッコイイよ。

NICKEY:遠藤さんだってカッコイイじゃないですか。

──褒め合ってる(笑)。

NICKEY:褒め合いましょうよ(笑)。それにカッコイイ女性はいくらでもいますよ。

──確かにそうだ。カッコイイ女性はたくさんいるし、褒め合うのは凄く大事。ホントにNICKEYさんを見てると自分もカッコイイ気分になるしね(笑)。

NICKEY:やっぱり女性はいつまでもカッコ良くいないとね。

──NICKEYさんは男のメンバーの真ん中に立って、絵になるよね。

NICKEY:あたし、あんまり女性って感覚がないんですよ。女が1人だからメンバーは気を使ってくれたりもするんだけど、自分ではあんまり女だからっていう意識はなくて。

──バンドってそうなんだろうね。対等っていう。

NICKEY:そうそう。対等。あたしは性格も男っぽいし。

──ライブではセクシーでゾクッとするけど、媚びてないもんね。ただただ楽しいって感じで(笑)。

NICKEY:あたしは全然セクシーキャラじゃないしね(笑)。楽しい! って感じでやってるのかな。

──ライブで手を大きく広げるアクションが大好き。母性的な包み込むっていうんじゃなくて…。

NICKEY:こういうんじゃないですよね(抱きしめるボーズ)。こういう感じですよね(手を広げるポーズ)。

──みんなもやってみなよって。

NICKEY:そうそう。けっこう気持ちいいんですよ(笑)。

活動制限がある中での発想の転換

──で、この1年半、有観客ライブ、配信ライブ、ソロのアンプラグドのライブとやりましたよね。

NICKEY:今までやったことないことをやりました。配信はかなり勇気がいったんです。配信ライブっていろんなことが気になるから。正直、通常のライブより疲れちゃう(笑)。

──配信はアーカイブとして何度も観ることができて、私たちは嬉しいけど、本来のライブじゃあり得ないことだしね。

NICKEY:ねぇ。ライブって一瞬だからいいってとこもありますよね。だから最初、あたしは配信をやるのは反対で。でもとにかくやってみようって。今年の初めにウォリアーズのライブをロフトで、その後レコーディングスタジオzizzで『zizzセッション』としてアンプラグドで2回、配信ライブをやったんです。特にレコーディングスタジオでのアンプラグドは初めてで、ステージは狭いしライティングもそんなにできない。その中でどうやってカッコ良く見せられるかなって思ったら、立って歌っちゃったりね。床にも座ったり(笑)。椅子に座って聴かせるのもステキなんだけど自分のキャラじゃないし。立って動いてライブ感を楽しんでもらえたらなって。

──凄く良かったですよ。zizzの雰囲気も、スタジオというより、なんだろ、バーでもないし部屋でもないし独特な空間で。フライヤーやポスターが貼ってあったり装飾もDIYって感じでしたよね。

NICKEY:そうそう。DIYですよ。家からスタンドなんか持ってっちゃってね(笑)。配信をやって良かったのは、全国の人が観られるから。今まで観たことない人、観に行けない人、久しぶりに観る人、そういう人たちに観てもらえるのはとても良かった。今までずっとライブに足は混んでくれてた人もコロナになってライブに行けないだろうしね。活動を制限しなければならなくなって、その中でもいろんなやり方、いろんな方法があるなって。いろんなことを考えてアイディアを出して。発想の転換みたいなことができて、それは良かったなって思ってます。

──得意ですよね、アイディア出すのは。

NICKEY:直感は得意なんです(笑)。

──そしていよいよウォリアーズの新作『TOKYO DOLLS』。ウォリアーズで音源を出そうっていうのは決めていて?

NICKEY:そうですね。去年はソロをリリースしたので今年はウォリアーズだって。メンバーチェンジもしたので、ここで今のウォリアーズを聴いてほしいなって。

──改めてメンバーを教えてください。

NICKEY:ドラムは以前からやってくれているTHE STREET BEATSの牟田昌広。ベースのKATSUJIとは5年ぐらい一緒にやってる。ギターが新メンバーの大口知彦。The STRUMMERSとHOT&COOLのカッコいいギタリストです。この4人と、前回の『ONE FROM THE HEART』で補佐的というか足りないとこを補ってくれる感じでキーボードの礒江俊道が参加してくれたんだけど、今回はもっとガッツリと。礒江さんは配信ライブをやったzizzスタジオの人で、キーボードだけじゃなくエンジニアとしても参加してくれているしレコーディングももちろんzizzで。あたしは昔はウォリアーズにキーボードは必要ないなって思ってたけど、今回はロックンロール・ナンバーがあるのでぜひぜひお願いしますって。

──ロックンロールにはキーボードやビアノは欠かせないもんね。

NICKEY:そうそう。礒江さんのキーボード、凄くいいんですよ、大好きです。

──ロックンロールもある今作は新境地! って思ったんだけど、実は『太陽はひとりぼっち』でも森重さんとロックンロールやってたし。ちゃんと繋がってるんだよね。ずっと変わらずパンクロックでパンククィーンなんだけど、実は常に変化をしている。だからいつも新鮮。

NICKEY:わー、凄く嬉しいです。

──前は必要ないなって思ってたキーボードをだんだん入れるようになったのは、曲が変わっていったから?

NICKEY:そうですね。曲ですよね。オーソドックスなパンクナンバーだったらキーボードは必要ないけど、どんどん広がってきたので。『ONE FROM THE HEART』では大好きなブロンディのような「VELVET LIPS」でキーボードを入れることによってよりポップに、より曲の良さを出せたし。礒江さんに出会えたのが大きいです。礒江さんのキーボードだからっていうのもあるんですよ。

絶対自分に合わないと思った曲を歌える発見

──曲作りのパートナーは主にCROSSさんですよね。

NICKEY:『Talks to Rainbows』(2018年)のときからCROSSの曲が増えて。ソロもそうだしウォリアーズでも。どんどんマッチしていくって実感してる。あたしに合うようにを考えて作ってくれてるなって。ただね、あたしは最初にイヤだなって思った曲は絶対歌いたくない。逆に1回聴いただけでも絶対あたしに合う、絶対歌いたいって曲もある。今回の「CANCEL EVERYTHING~気まぐれにアイシテ~」は最初は絶対イヤ、絶対あたしに合わないって思った曲。今まで全く歌ったことのないタイプだし。

──ミディアムで煌びやかなロックンロールだよね。

NICKEY:そうそう。ちょっとブルース寄りっていうかストーンズっぽいかな。CROSSはあたしにハマるって思ったらしいんだけど。ちょっとこれはあたしには合わない、イヤだって言ってたんです。

──でも完成した。

NICKEY:そうなんです。最初はフフンって適当にメロディを歌ってて、歌詞をつけて。あたしは映画が好きだからアクトレスなイメージを出しつつ自分のイメージも出そうって歌詞を考えてたら、なんかけっこう面白い。バンドで音を出したら、リズム隊がこういう感じは得意なんでバシッとハマった。自分がこういう感じの曲を歌えるのも凄い発見で。

──イヤだからやらないじゃなく、やっていったらどんどん。

NICKEY:どんどん楽しくなっちゃった(笑)。歌詞は映画の中のような感じと、あとあたしの気持ちをそのまま出して。その両面がバシッとハマッてると思います。凄い気まぐれな、勝手な人の歌詞です(笑)。やっばりね、頑張ってるんだけどコロナがあって思うように活動できないし、もう全部イヤ! って(笑)。あたしはだいたいがポジティブなんだけど、もうイヤ! ってときもやっばりあるんですよ。全てキャンセルしちゃいたい! って。そんな気持ちを歌に込めてます(笑)。全てキャンセルするけど許してくれるかな? って(笑)。

──いいねー(笑)。CROSSさんはホントいい曲を作ってくるよね。

NICKEY:ホントいい曲。ソロとウォリアーズ、違うタイプを作ってくるし、あたしのイメージを考えてくれるし。『ONE FROM THE HEART』からどんどんいい感じになってる。『TOKYO DOLLS』は『ONE FROM THE HEART』とまた違ったバラエティがあると思うし。また違うイメージなんじゃないかな。カラフルな感じで。あたしは凄く気に入ってる。

──カラフルなのと同時にタフにもなってる、ロックンロールだからかな。「TOKYO DOLLS~悪徳のジャングル~」はNEW YORK DOLLSからだよね。

NICKEY:もちろん!

──カラフルでポップだけど毒々しさもある。パンクナンバーももちろんあって。1曲目の「BROKEN WORLD」はスピード感あるパンクロック。

NICKEY:今作唯一のパンクナンバーかも。

──イントロからしてカッコイイ。

NICKEY:ね。ちょっとスタークラブ的な。

──攻めの曲だよね。

NICKEY:コロナになって状況が変わってきてるのもあって、壊れた世界観っていうのを出したかったんだ。最初にメロディを聴いたとき、あたしの声質にも凄い合ってるメロディだなって。それをバンドでやったらグングンとパンクナンバーになっていった。凄いいいですよね。

──“PINHEADのポリティシャン ひとり叫んでる”って歌詞が意味深。

NICKEY:政治や権力者に対して言ってる、唯一政治的な、政治的ってことはないか、そういう曲です。あんまりにもあんまりなんでね。

新鮮なものを見つけていけるのがパンクロック

──カッコイイです。5曲目のバラード「MARCH ON THE STREET」も現代社会…、社会というか、現代に生きる私たちを、前へと向かわせてくれるような曲。

NICKEY:そうですね。前作のパンクロックで応援歌を歌いたいって思った「ONE FROM THE HEART」の続きみたいに思っていただければ。路上に生きる人へ向けて…、なんていうかな…、パンクロックって路上にある、路上から生まれたものじゃないですか。ライブハウスだってそう。そういうものを知ってる人たちの行進。CROSSが前々から自分で歌おうって温めてた曲らしいんだけど、これはあたしが絶対歌いたい! って取っちゃったの(笑)。最初に聴いたとき、これはデヴィッド・ボウイの「すべての若き野郎ども」だ! って。

──うんうん。ギターの響きも凄くいい。

NICKEY:そこにさらに、「レイジー・クレイジー・ブルース」とか「ティーンエイジ・キックス」とか自分の好きな曲のタイトルを歌詞に入れたり(笑)。若い頃に出会って胸に突き刺さった音楽とか、自分が大切にしてきたものを守りたいっていう。その大切なものは世間の人には分からないようなものでもね。だからパンクスやロックンローラーたちの行進であり、路上から生まれたものをずっと大切にしてきた人たちの行進の曲。夢から醒めたディヴィッドは街から出ていっちゃったけど、私たちはここに残ってやるべきことがあるでしょっていう。そういう曲。

──泣ける。路上から卒業なんてしないっていう。

NICKEY:そうそう。あと遠藤さんは実際にデモに出かけてたじゃないですか、自分の考えで。そういう遠藤さんのことが思い浮かんできて。たぶん繋がってるんじゃないかって。

──嬉しいなぁ。私は社会が良くなるように願いを込めてデモに行くわけだけど、それって大切なものを守りたいからで、私にとってそれはライブハウスやパンクロックなのかもしれないね。

NICKEY:ですよね。きっと大切なものは同じなんだと思う。

──あとソロの『太陽はひとりぼっち』と「LOVE×HURTS」に収録の「EMPTY STREET~廃墟の街から~」とも繋がってるよね。

NICKEY:そうです。あたしはストリートで歌い続けるんですよ。

──うんうん。で、最後のボ・ディドリー的なギターがブイブイ鳴ってる「BODYGURD」。この曲のクレジットのSatoru Kamiyamaさんというのは?

NICKEY:「BODYGURD」はKamiyamaさんが作った曲なんです。KamiyamaさんはCROSSの後輩で、昔から自分のバンドで歌っている曲なんだそうです。CROSSも大好きな曲で、「大口と歌ったら面白いんじゃない?」って。大口くんは歌えるし、面白いかもって。原曲は男目線の歌詞だから女目線の歌詞に変えて。歌ってみたら演奏も含めてバッチリ。ライブでもやるたびに面白くなっていく。Kamiyamaさんも凄い喜んでくれて。今作も予約して買ってくれたんですって(笑)。

──そうやって曲が繋がって生き続けていくのって、いいですよね~。

NICKEY:ね~。Kamiyamaさんは自分のライブでずっと歌ってると思いますけど、他の人が歌ってくれることを喜んでくれていて。凄いポップになったって。

──同じ曲でもやる人によって変わっていく面白さ。

NICKEY:面白いですよね。今回は新しい発見がいっぱいあったなって。大口くんと掛け合いみたいにして歌うのも発見だし。今までウォリアーズは男性の掛け声みたいなコーラスはあったけど、ボーカルはなかったですから。

──パンクロックの魅力って、そういうとこかもしれないね。

NICKEY:そうそう。シンプルなのに曲によってもいろんな発見があったり、同じ曲でも発見があったり。常に新鮮なんですよ! 新鮮なものを見つけていけるのがパンクロックなのかもしれないです。

──10代の頃と今、同じ曲にも発見があるし。

NICKEY:あります。年齢が変わると違って聴こえるし、メンバーが変わると全然違うし。あたしのボーカルも声の出し方ひとつで変わっていくし。

自分に正直に、無理する必要なんてない

──今作のボーカルも声の出し方がまた違って凄い新鮮。今のメンバーの面白さってどういうところ?

NICKEY:このメンバーでライブをまだ4本しかやってないんですよ。スタジオもそんなに入れなかったし。少しずつしっくり回り始めたなって段階。新作リリースのインタビューでこんなこと言っちゃダメかもね(笑)。でももっと馴染んだらもっと良くなるって確信してるんですよ。一緒にやって間もない大口くんのカッコ良さ、ワイルドさ、凄く好き。ウォリアーズは回数を重ねればどんどん良くなります。だってライブ4回しかやってないのに、かなり凄いんだから(笑)。

──同じ時代を生きてきて同じ空気感を知ってるっていうのは大きいかもね。

NICKEY:ホントにそう。なんか分かっちゃうし、楽しいですよね。

──パンクロックからスタートしたバンドだから、キャリアを重ねたからって落ち着いた音楽に移行しなきゃなんてこともないし。

NICKEY:ホントですよね。やりたいことやればいいし。自分に正直に、無理する必要もないし。

──NICKEYさんはずっと可愛くてカッコイイけど、全然無理してない感じだもんね。ライブはカッコイイけどMCはまったくの自然体だし(笑)。

NICKEY:なんか、MCは素ですよね(笑)。昔、凄い気取ってMCしてた時代があったんです。凄いカッコつけて(笑)。実は人前で喋るのが苦手でMCなんか冗談じゃないって思ってたんだけど、やっぱりやらなきゃいけないし、だから気取るしかなくて。それがもうイヤになっちゃって、もう普通にやっちゃおうって。普段喋ってる感じでいいでしょって(笑)。

──NICKEYさんのライブからは、「みんなこっちおいでよ、みんなも好きに自由にやりなよ」「オシャレしたら楽しいしカッコ良くなるよー」って、別にそんなMCはしてないけど、そういうメッセージを感じます。ライブに来た人、CDを聴いた人に元気になってもらいたいっていうのはあるよね。

NICKEY:うん。それは昔からあります。ただどうやって伝えていいか分からなくて…。そのへんの伝え方っていうか、あたしの気持ちの持ち方がちょっと変わっていったかもしれないです。以前は特に女の子たちに元気になってほしいって思ってて。女の子たち、「もういい年だから」とか言う人が多くて。「私なんて」「私なんて」って言葉がだんだん増えていくような感じがしてね。あたしはそういう女の子たちに、まだ30才ぐらいで何言ってるの? って。全然元気で頑張れるよって伝えたかった。今は、それこそ年のせいなのか時代のせいなのか分からないけど、無理はしなくていいよって伝えたいんですよ。私も無理してないし、女子たちにも無理してほしくないし。

──だから「CANCEL EVERYTHING」ができたんだ(笑)。

NICKEY:そうそう(笑)。昔は、我慢してでもキャンセルしない生き方、それがカッコイイ生き方だって思ってた。今は我慢なんかする必要なくて、イヤなものはイヤって言って全然いいよって。元気になってもらいたいのは変わらないんですけど、なんか、変わってきましたね。自然体がいいなって。周りなんか意識しないで、自分が楽しいことをやればいいよって。

──ホントそう思う。そういう思いが、ちゃんと「CANCEL EVERYTHING」って曲になってるのも素晴らしい(笑)。

NICKEY:でもね、我慢なんかしないし無理なんかしないわって歌ってるのに、大口くんに聴かせたときに、「NICKEYさん、凄い生意気そうに歌ってるじゃないですか」って言われて(笑)。

──やっぱクィーンだから(笑)。でもホント、メンバーが、音がイキイキと楽しんでる感じでとてもいいです!

NICKEY:ライブも楽しそうですよ。あたしも楽しいし、横見るとニコーって笑ってる(笑)。ワクワクしてないとダメですよね。意識的にワクワクするっていうんじゃなくて、ワクワクしちゃう! みたいな。いつまでもそういう感覚でいたいし、今、そういう感覚を凄く実感してるんです。

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