ソフトバンク奇跡の逆転CSなるか 〝長谷川魂〟で3位・楽天戦へ

引退セレモニーでは子供から花束を渡されたソフトバンク・長谷川(東スポWeb)

CS進出の可能性をわずかに残すソフトバンクが、今季限りの引退を表明している鷹の求道者・長谷川勇也外野手の魂を胸に奇跡を目指している。

逆転CSの条件は残り3試合に全勝し、かつ3位・楽天が4連敗することだ。文字通りのがけっぷちだが…。とはいえ23日からは直接対決2試合が控えており、ここで連勝することができれば、残りが優勝に燃えるオリックスとロッテである楽天を焦らせる状況に追い詰めることはできる。

先陣を切る東浜巨投手は「目の前の試合にどれだけ全力を尽くせるかというところで準備できることをしてきた。昨日、ハセさん(長谷川)が引退しましたけど、ハセさんのいいパフォーマンスを出すための後悔しない準備はずっと変わらなかった。どういう状況でも変わらず、姿勢を見習わないといけない」。

登板に向けて「ここまで来たらやるしかないので」と力を込めた。

チームとしても逆境でも決して諦めない〝長谷川イズム〟で残り試合に臨む。前日21日の日本ハム戦(ペイペイ)では引退セレモニーを控える現役最終打席で気迫のヘッドスライディング。アウトになると球場中の拍手にも厳しい表情を浮かべて、ベンチに戻るとレガースを投げつけて自らへの怒りをあらわにした。

すると続く甲斐が均衡を破る2ランを放ち思いに応えた。「長谷川さんの生き様、気迫、その気持ちが(自分に)乗り移ったんじゃないかなと思う。今日は(引き分けで)勝つことはできませんでしたけど、残り3つ全部勝てるように戦っていきたい」(甲斐)。

試合後の工藤監督も「最後まで諦めない彼らしいヘッドスライディング。最後まで諦めるなというメッセージをもらったと思って戦いたい」。と誓った。

現実的には厳しくても、可能性が残されている限りは死力を尽くす。ミラクルを起こせるか。

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