広島・鈴木誠 メジャー大争奪戦へ ドジャース、Rソックスなどが守備も高評価

強肩、広い守備範囲も広島・鈴木誠の魅力だ(東スポWeb)

評価はうなぎ上りだ。広島・鈴木誠也外野手(27)にメジャーの複数球団が熱い視線を向けている。ア・リーグの極東スカウトは「NPBにおいて2021年シーズン、野手の最大注目株は、何と言ってもセイヤ・スズキ。これは、ほぼ大半のMLB球団の総意と考えてもらって間違いない」と断言。その言葉が示すように、今季の鈴木誠の暴れっぷりは月間MVPに7・8月度、9月度と2か月連続で輝くなど、とにかくすさまじい。

成績も文句の付けようがない。22日現在(以下同)、打率3割2分2厘でセ・リーグ首位打者の座をキープ。本塁打王争いでも後半戦から驚異的ペースで38本を放ち、リーグトップで並ぶ巨人・岡本和とヤクルト・村上にわずか1本差にまで迫る。さらに出塁率も4割3分6厘でリーグトップ。首位打者と本塁打王、最高出塁率の野手タイトル3冠は十分に射程圏内だ。

打点も87でリーグ4位、得点圏打率も2割9分4厘で同9位と、いずれも十傑にランクインし、高い数字を残している。特にMLBも重視するセイバーメトリクスの指標「ОPS(出塁率+長打率)」は1・086でリーグトップの数値をたたき出しており、前出の極東スカウトいわく「日本人打者の観点で見れば、今季の彼のパフォーマンスは近年でも総合的に抜きんでている」と目を見張る存在になっているという。

今夏の東京五輪でも侍ジャパンの全5試合に「4番・右翼」で出場し、金メダル獲得に貢献。国際試合でインパクトを与え、米主要メディアの間でも「セイヤ・スズキ」の活躍が取り上げられた。すでに米スポーツ専門局「ESPN」は「世界の有望選手」の特集を組み、その筆頭として鈴木誠を「打撃に加え、守備も素晴らしい」と大絶賛している。16年から5年連続でリーグ外野手部門のベストナインに輝き、ゴールデングラブ賞にも4度選出。攻守の両面で優れた外野手として鈴木誠はMLBから「ドジャース、レッドソックスを含め7~8球団に現在もマークされている」(前出のスカウト)と〝優良人気物件〟として注視されている模様だ。

一方、鈴木誠は将来的な米大リーグ挑戦の可能性についても、昨年の契約更改交渉後「タイミングが合えば」と口にしている。最短で海外FA権の取得は23年シーズン中となる見込みだが、広島は15年オフに前田健太(ツインズ)をポスティングシステムによるMLB移籍を容認した前例もあり、両者の話し合いによっては〝前倒し〟となることも十分にあり得るだろう。

いずれにせよ、球団からの容認を得て鈴木誠がMLB移籍を正式に表明すれば大争奪戦に発展することは必至。先行きに注目だ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社