政権選択を懸けた衆院選(31日投開票)は、新型コロナウイルス下で初めて迎える大型国政選挙。神奈川県内の感染状況は落ち着きを見せているものの、演説や投票所などは「密」になりやすい。手指消毒や常時換気といった基本的な感染防止対策は当たり前。各陣営や各地の選挙管理委員会はあの手この手で工夫しながら選挙戦に臨んでいる。
◆「ハコ」から屋外
自民党前職の陣営は室内に大人数の支援者を集めて個人演説会を開く、いわゆる「ハコもの」を全て取りやめた。その代わり、10~20人程度のミニ集会を屋外で開くように変更した。「感染者が出たら明らかにマイナス。リスクの方が大きい」と陣営関係者。別の自民前職の陣営では、演説開始前にスタッフがボ-ドを掲げ、人と人が一定距離を保つ「ソ-シャルディスタンス」を呼び掛けている。
立憲民主党前職の陣営は、投票依頼で使用する電話を共用の固定電話から携帯電話に切り替えた。数十台を用意し、通話中に飛沫ひまつが飛ばないようにスタッフ同士が距離をとったり、向き合わないように互い違いに席を配置したりしているという。別の立民前職の陣営では、風通しのよいテントを張って選挙事務所として活用する。コロナ前からそうしているといい、陣営関係者は「開放感があって評判がいい。日本一、密じゃない選挙事務所では」と胸を張る。
動画投稿サイトや会員制交流サイト(SNS)を活用する陣営も多い。応援弁士が入った際に演説をライブ配信したり、写真投稿サイト「インスタグラム」を模したパネルを用いて一緒に撮影した写真をSNSで拡散するよう呼び掛けたりして、政策や露出アップを図っている。