日立がスペインETR1000型車両20編成のメンテナンスをILSA社と980億円で契約、2052年まで30年間

日立がスペインの鉄道運営会社ILSA社と 高速鉄道車両20編成の30年間に渡るメンテナンス契約を約980億円で締結――

日立製作所の鉄道システム事業グループ企業 日立レール(スペイン)社は、スペインの鉄道運営会社 Intermodalidad de Levante社(ILSA社)と、ETR1000型高速鉄道車両20編成のメンテナンス契約を7億3,700万ユーロ(約980億円)で締結した。契約期間は2052年まで、30年間。

ILSA社のETR1000型車両は、日立とAlstom グループ(旧 Bombardier Transportation )により、日立のピストイア(イタリア)工場で組み立てられている。第1編成はすでにスペインで認証試験を行っており、第2・第3編成は2021年末までにスペインに到着予定。

このETR1000型車両はもともと、2015年からイタリアで運行され、性能、運行効率性、乗客の快適性の標準を築いてきたモデル。

1編成の全長は約200メートル、乗客定員は約460人、時速360kmで営業運転を行う。広い座席や、5G Wi-Fi、バーエリアなどを備えている。

また車両には、リサイクル可能な素材を85%、再生可能な素材を95%使用。環境に配慮された車両設計で、ILSA社の最も持続可能な車両へのコミットメント、日立の温室効果ガスの排出量削減という脱炭素戦略に貢献する。

日立が担当する全てのオーバーホール、運営、保守サービスは、車両・信号・デジタル技術・ターンキーソリューションと同様に、日立の6大陸38か国にある11の製造拠点で実施。 ILSA社のETR1000型車両は、新規雇用75名超の従業員によってマドリードでメンテナンスが行われる。

今回の保守契約は、ILSA社と日立のグローバルなパートナーシップを保証し、2020年8月に締結したETR1000型車両の製造契約に続き、日立のスペインでの継続的なプレゼンス向上にかかわる。

メンテナンスには予防保全や修理が含まれ、最先端の車両により乗客に最高レベルの信頼性と快適性を提供できるようサポートしていく。

ILSA社製 ETR1000型車両は、2022年後半に営業運転開始予定。マドリード、バルセロナ、バレンシア、アリカンテ、マラガ、コルドバ、セビリアを結ぶ高速鉄道路線を運行する。

画像:日立製作所
記事:鉄道チャンネル(https://tetsudo-ch.com/

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