体操の世界選手権(北九州市立総合体育館)男子個人総合決勝で、東京五輪金メダルの橋本大輝(20=順大)を0・017点上回り、中国の張博恒(21)が優勝。中国で「なぜ張を東京五輪に出さなかったのか!」論争がぼっ発している。
東京五輪金メダリストとの僅差のデッドヒートを制した張は「今夜は眠れないと思う。初出場の自分に比べ、橋本選手は大きな重圧があったと思う」などと語った。
東京五輪では、橋本が中国の肖若騰に勝ち金メダルを獲得。互いを認め合う本人たちをよそに、中国国内で「審判が勝たせた」などと苦情が殺到し、ネット上の誹謗中傷が大問題となったのは記憶に新しい。今大会で張が〝リベンジ〟を果たした格好だ。
しかし中国各メディアは「なぜ張が東京五輪に出なかったのか」と蒸し返し報道。張が東京五輪代表選考会で高得点をマークし、中国チーム内でも個人総合で1位になっていたが、首脳陣が経験のなさから張を選ばず、議論が沸き起こっていたことを伝えている。
中国のネット上でも「この結果を見て、体操首脳陣は恥ずかしくないのか」「張を出さなかったから東京五輪で負けたんだ」と、不満の声だらけだ。
たらればを言いたくなるほど、東京五輪で敗戦が悔しかったということかもしれない。