【菊花賞/穴馬アナライズ】単勝30倍前後の“盲点” 狙いは「春クラシック未出走組」

前編」では過去10年の菊花賞における春クラシックの出走状況から、ステラヴェローチェの「△」評価について展開したが、ここでは「春クラシック未出走組」から穴馬3頭を紹介する。

◆【菊花賞2021予想/穴馬アナライズ・前編】ステラヴェローチェは「△」評価 過去10年で13頭が好走した“買い”条件

■ヴァイスメテオール

まず取り上げたいのがヴァイスメテオール。2歳10月にデビューし初戦を快勝したものの、当時はまだ完成度が低く、次走の京成杯、2走前のプリンシパルSではともに4着に敗退。春はクラシックへの出走が叶わなかった。

陣営が次に選んだのが、前走のラジオNIKKEI賞。ここには良血馬ボーデンやGI4着のリッケンバッカーなどが顔を揃え、4番人気の評価に甘んじたが、レースでは目の覚めるような末脚を見せ、2着に2馬身半差をつけ重賞初Vを飾った。馬の成長を促しつつ、余計な消耗をさせないレース選びが実を結んだのだろう。

これまでのレースぶりから折り合い面に心配がなく、中山コースの不良馬場をこなしているように直線の急坂も、タフな底力勝負も歓迎。春のクラシックホース不在の今年、目下の充実ぶりなら十分に渡り合えると見た。

■エアサージュ

メンバー唯一の外国産馬であるエアサージュは、2戦目のゆりかもめ賞で5着に敗れると半年間の休養へ。復帰は8月の自己条件戦。押し出されるように主導権を握ると、終始2番手に絡まれる逃げ馬には厳しい展開だったが、なんなく振り切って逃げ切り勝ちを収めた。

続く前走の札幌日刊スポーツ杯でも番手にプレッシャーを掛けられる逃げ馬泣かせのレースだったが、2着馬の追撃をハナ差凌いで2連勝。着差以上に強い内容だった。またこのレースが2600mだったように、長距離適性の高さも示している。昨年のアリストテレスや2018年のユーキャンスマイルのように、2勝クラス勝ちの実績があれば菊花賞好走のメドは立つ。阪神内回りなら積極的に狙える。

■アリーヴォ

最後に推奨したいのは、国東特別、柳川特別と条件戦を2連勝中のアリーヴォ。ダートのデビュー戦こそ勝ち馬から4秒2差の11着に敗れているが、芝に舵を切った2戦目以降はすべて掲示板に載っている。相手なりに走るタイプで、前述の2頭とは違い、レースを使いながら力をつけてきた。

特筆すべきは1勝クラスを突破した国東特別。当時の小倉はタイムの出やすい馬場状態ではあったものの、1分57秒5の好時計で駆け抜けた。後肢にまだ非力な部分が残っているだけに、本来はきれいな馬場でこその馬。時計勝負になるようなら上位進出まであっていい。

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著者プロフィール

山田剛(やまだつよし)●『SPREAD』編集長
アスリートの素顔を伝えるメディア『SPREAD』の編集長。旅行・アウトドア雑誌のライターを経て、競馬月刊誌「UMAJIN」の編集長として競馬業界へ。その後、Neo Sports社にて、「B.LEAGUE」「PGA」「RIZIN」等のスポーツ×ゲーミフィケーション事業に携わり、現在に至る。競馬は、1995年マイルCSの16番人気2着メイショウテゾロの激走に衝撃を受けて以来、穴馬予想を追求し続けている。

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