修学旅行生、観光客が続々 日光、那須方面の観光地に活気

修学旅行生など参拝客でにぎわう「日光の社寺」周辺

 栃木県を含む19都道府県に出された国の緊急事態宣言が解除されて約3週間がたち、県北地区の観光地には修学旅行生や観光客の姿が見られるようになってきた。書き入れ時の紅葉シーズンとも重なり、活気が戻りつつある。

 好天に恵まれた23日、日光市の世界遺産「日光の社寺」周辺は多くの観光客でにぎわい、社寺の表参道には午前中から修学旅行生などが訪れた。市観光協会などによると、二社一寺周辺は今季最大の渋滞となった。

 日光二荒山神社によると、宣言解除後から修学旅行生が一気に増え、紅葉シーズンを迎えて一般客も徐々に訪れ始めた。「観光地らしい雰囲気になってきた」と斎藤芳史(さいとうよしふみ)権宮司(68)。

 同市内の春茂登ホテルグループの根本芳彦(ねもとよしひこ)社長(63)も「例年に近いくらいとなり、ほぼ満室」と話す。同市鬼怒川温泉大原のテーマパーク「東武ワールドスクウェア」には平日に千人以上の修学旅行生が訪れる日もあった。根本幸央(ねもとゆきお)総支配人(51)は「8、9月分の予約がずれ込み、特需状態」とする。

 自治体の観光支援策や政府の観光支援事業「Go To トラベル」の再開に期待する声もある。

 同市川治温泉川治の「祝い宿寿庵(あん)」の船曵大輔(ふなびきだいすけ)社長(39)は「県民一家族一旅行の予約も入り始めた。11月からは紅葉も見頃になるので期待したい」。

 塩原温泉観光協会副会長で旅館「満寿家(ますや)」主人の臼井祥朗(うすいさちお)さん(56)も「例年と同程度まで回復した。県や国の制度を利用した観光客が街全体に増えていくと思う」と語った。

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