衆院選長崎4区 野党「共闘」自民「挙党」掲げるも… 疎遠、しこりで一枚岩なれず

© 株式会社長崎新聞社

野党の県連幹部らとガンバローコールで結束を誓う末次候補(右から2番目)=佐世保市(写真左) 北村候補の出陣式で激励する朝長市長(右)=佐世保市

 与野党対決が激化する衆院選長崎4区。立憲民主新人の末次精一候補(58)陣営が野党共闘に自信を見せる一方、党公認問題で出遅れた自民前職の北村誠吾候補(74)陣営も挙党態勢の構築を急ぐ。だが、いずれも組織が一枚岩になりきれない内情を抱えたまま、後半戦に突入する。
 公示日の19日夜。末次陣営が佐世保市中心部で開いた集会には、連携する国民民主や社民の県連幹部らが顔をそろえ、「全力で応援する」と激励した。衆院選5回目の挑戦となった末次候補は「これまで野党はバラバラで戦ったが、きょうは本当にたくさんの皆さんが来てくれた」と感激した様子を見せた。
 野党の結集をアピールした格好だが、組織の集票力は心もとない。立民は大票田の佐世保市に市議がおらず、4区内で唯一の市町議員だった平戸市議が衆院選公示直前の市議選で落選。支持者は「地域に根付いていない」と嘆く。
 過去の衆院選で非自民候補を支えた佐世保重工業(SSK)などの労組は、組合員の減少で弱体化。SSK出身の佐世保市議4人は国民所属だが、うち1人は「候補者との関係が深まっていない」と集会や街頭活動にも参加していない。社民も前回市議選で議席を3から2へ減らし、かつての存在感はない。
 共産の候補者擁立見送りは好材料とされる。三つどもえとなった前回は、北村候補が約7万4千票を集めて7選を果たしたが、希望の党だった宮島大典氏(現県議)と共産・石川悟氏の合計得票数とは約2千票差しかなかった。「自民を破る土台ができる」。共産党県北部地区委員会委員長の石川氏はそんな期待を込め、末次候補を支援する。
 ただ、国民は共産と政策で一致しない点もあり、労組関係者は「共産色が前面に出過ぎると波風が立つ」と懸念。こうした意見に配慮してか、共産幹部らは出陣式に姿を見せなかった。
     ◆
 「共産と協力する政権に国は任せられない」。19日、北村候補の出陣式で「盟友」として登壇した朝長則男佐世保市長はこう訴えた。自衛隊や米軍との「共存共生」を掲げるだけに、基地政策を否定する共産へのアレルギーは強い。
 北村候補は、閣僚時代の失言などが原因で、瀬川光之県議と自民党公認を争った。党本部裁定で決着したのは公示4日前。出遅れた陣営は「保守の火を消すな」と組織一丸となるよう訴えるが、「そう簡単にしこりは消えない」(自民関係者)。
 北村候補は20日、瀬川氏の地元、西海市に入った。瀬川氏も協力を約束して同行。市内3カ所で街頭演説をしたが、集まったのはいずれも20~10人程度にとどまった。
 公認争いで瀬川氏を支持した県看護連盟や県農政連盟からも推薦を取り付け、組織固めを急ぐ北村陣営。だが幹部は「時間がない」と焦りを募らせている。