中国シンクタンクが注目する静岡県のファルマバレープロジェクトとは

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中国・上海のシンクタンク「上海東灘智庫」は、ウェブサイトに「健康科学技術と医療サービスが連動した康養産業モデル」と題する記事を掲載している。この記事では、静岡県東部地域で産学官金が協働して進めているファルマバレープロジェクトについて紹介、“世界一流の医学イノベーション地区”として高い評価をしている。この記事は中国の大手ポータブルサイト「新浪」などにも転載されており広く読まれているようだ。

上海東灘智庫が記事の中で静岡のファルマバレープロジェクトをどのように伝えているのか紹介する。以下は記事の抄訳。

上海東灘智庫のウェブサイトに掲載されている静岡県のファルマバレープロジェクトに関する記事

製薬などの研究開発、予防医療、健康サービスなどを結合したメディカルタウンは、健康科学技術と医療産業が発展する上で重要である。世界的に見て、静岡県の“メディカルバレー”は、米国の“ロングウッド・メディカル・アンド・アカデミックエリア”と肩を並べる世界一流の医学イノベーション地区である。これら地区では、製薬研究開発と医療サービスの発展を大幅に促進していることから、こうした地区のことを知ることは、我が国の医療レベルを向上させる上で参考になる。

静岡ファルマバレープロジェクト発展の経緯としては、まず、静岡県が2001年、県立がんセンターを核とした医療産業集積構想を発表。静岡県立がんセンターは、世界最先端の癌細胞測定機器と高い医療技術を有しており、癌治療の専門病院、慶応義塾大学、順天堂大学、浜松医科大学などと事業協力を結び、県内29の高度医療機関とも提携した。

その後、製薬や医療機器メーカー、大学などの教育機関がプロジェクトに参入し、臨床医薬研究、医薬品の生産供給、医療教育などが一体化した医療産業チェーンを確立した。これに、静岡県の恵まれた食品産業が融合し、医療と機能性食品を組み合わせた形での研究に発展させ、医療産業と地域開発をサポートしている。

また、このプロジェクトに、県内のビジネスレジャー、サービス、療養、イベントなどの様々な業態が結びつき、特色のある療養集約地区が生み出された。これらサービスの利用を目的とした来県者が増加したことで、消費が促進され、経済発展にも貢献している。さらに、医療サービスの利用を目的とした外国人観光客に配慮し、通訳サービスに対応しているほか、国際イベントなどを開催するなど、グローバルマーケティング戦略を推進しており、世界からの人気を集めている。

ファルマバレープロジェクトを担う中核的な組織である静岡県医療健康産業研究開発センター(ファルマバレーセンター)の担当者に話しを聞いたところ、「現在は新型コロナウイルスの影響でストップしているが、コロナ前には、中国から複数の地方政府関係者がファルマバレーを視察に訪れていた。また、ファルマバレーの世界展開の一環として、ファルマバレー内で作られた製品を海外の展示会に出展し、販路拡大を目指している」と話していた。ファルマバレープロジェクトは今後更に海外から注目される存在になりそうである。

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