激戦2、4区 陣営舌戦 大物弁士も支持訴え 公示後初の週末 とちぎ衆院選

自民党候補の応援に駆け付けた福田知事(右)。左は高橋参院議員=23日午前10時35分、さくら市内

 衆院選公示後、初の週末となった23日、前職と新人が一騎打ちで激しく競り合う2区と4区では、各陣営が街頭演説などに精力的に取り組んだ。両選挙区は自民党と野党第1党・立憲民主党がそれぞれ議席奪取を目指す「最重点区」。大物弁士も応援に入り、選挙戦中盤の舌戦は一層熱を帯びた。

 午前10時半、さくら市内で行われた自民新人の五十嵐(いがらし)清(きよし)氏(51)の集会。「五十嵐さんは政策通で国際派。国会で地方の実情を訴え、中央との格差を埋めてほしい」。自民県連顧問の福田富一(ふくだとみかず)知事は声を張り上げた。

 集会には県連会長の茂木敏充(もてぎとしみつ)外相、上野通子(うえのみちこ)、高橋克法(たかはしかつのり)両参院議員、比例に回った西川鎭央(にしかわやすお)氏(50)、父親の公也(こうや)元農相も参加し「挙党態勢を示した」(陣営幹部)。五十嵐氏は脱炭素対応や企業誘致による雇用創出などを主張。この日は10カ所以上で演説を行った。

 立民前職の福田昭夫(ふくだあきお)氏(73)は日光市内の朝立ちに始まり、公民館や店舗前などで演説を重ねた。午前11時からはJR下野大沢駅前でマイクを握り、税制改革や格差是正を主張し、政権交代実現を訴えた。

 鹿沼市内では、応援のため本県入りした石垣(いしがき)のり子(こ)参院議員が街宣車に乗り、スーパーなど6カ所で演説。「(福田氏は)勉強家で地域の声を聞ける政治家。消費減税を実現し大企業などに応能の負担をしてもらおう」と呼び掛けた。

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 自民前職の佐藤勉(さとうつとむ)氏(69)は、朝から分刻みの日程で真岡市内約20カ所で街頭演説を続け、議員生活25年の実績や地元への貢献を主張した。

 JAはが野長沼支所前では米価問題について、「『何とかしてほしい』という地元の声に応えようと1円でも多く、米の値上げに取り組んでいる。まだまだ地域のために働かせていただきたい」と訴えた。夜は市内の結婚式場に自身の後援会青年部らを集めた個人演説会を開き、若者への支持拡大を求めた。

 午後6時、真岡鉄道益子駅近くで行われた立民新人藤岡隆雄(ふじおかたかお)氏(44)の個人演説会には、同党の福山哲郎(ふくやまてつろう)幹事長が駆け付けた。

 福山幹事長は「相手はベテランだが、未来に向けて仕事ができるのは藤岡さん以外にいない。勝たせてもらえれば先は長い」と若さをアピール。「自民党が変わらないなら、4区から日本の政治を変えるのろしを上げよう」と拳を突き上げた。藤岡氏はこの日、益子町や茂木町で遊説し、支持を訴えた。

候補者の応援に駆け付け、支持者とグータッチをする立憲民主党の福山幹事長(左)=23日午後6時35分、益子町内

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