史上空前の“当たり年”だった98年ドラフト 松坂大輔の引退で現役は残り1人に

中日・福留孝介【写真:荒川祐史】

1998年ドラフトで最後の現役選手となるのは中日・福留孝介外野手

西武の松坂大輔投手が19日に本拠地メットライフドームで行われた日本ハム戦で引退試合を迎えた。1998年のドラフト1位で西武に入団してから23年間。球界を沸かせてきた「平成の怪物」がついにユニホームを脱ぐことになった。

1998年のドラフト会議は「松坂世代」の選手たちが高卒で多くプロ入りしてきた年だが、その98年組も、松坂の引退で、残る現役選手はあと1人となる。現役最年長選手の中日・福留孝介外野手だ。

福留はPL学園高時代に注目を集め、1995年のドラフト会議で7球団が競合。抽選の末に近鉄が交渉権を獲得したものの、入団を拒否して、日本生命へと進んだ。社会人での3年を経て中日を逆指名し、1位で入団した。この年、松坂には3球団が競合し、西武が交渉権を獲得して入団している。

福留のその後の活躍は周知の通り。中日では2度の首位打者、3度の最高出塁率のタイトルを獲得し、2006年にはMVPにも輝いた。2007年オフにFA権を行使してカブスに移籍。2006年、2009年にはWBCにも出場し、2013年には阪神へ加入。今季から中日に復帰し、勝負強さを存分に発揮してみせた。

福留、松坂がプロ入りした1998年のドラフトを見ると、錚々たる顔ぶれが並ぶ。1位で小林雅英(ロッテ)、藤川球児(阪神)、上原浩治(巨人)らが入団。2位以下でも里崎智也(ロッテ2位)、福原忍(阪神3位)、新井貴浩(広島6位)、二岡智宏(巨人2位)、建山義紀(日ハム2位)、森本稀哲(日ハム4位)、岩瀬仁紀(中日2位)、金城龍彦(横浜5位)といった名選手たちがプロの世界に飛び込んでおり、史上屈指の“当たり年”となった。

その98年組も、松坂が引退したことで、残すところ福留ただ1人となった。社会人出身出身選手がドラフト同期で最後の1人となるのは珍しい。多くは、より若くしてプロ入りした高卒選手が現役を長く続けることになる。そう考えれば、社会人出身ながら、世代最後の1人となった福留の偉大さが分かる。

【表】史上空前の“当たり年” 1998年のドラフト指名選手一覧

【表】史上空前の“当たり年” 1998年のドラフト指名選手一覧 signature

(Full-Count編集部)

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