【フィギュア】王者チェン3年8か月ぶりに敗れる 驚がくの「4回転6本」で巻き返しへ

演技を終え顔を覆ったネーサン・チェン(ロイター=USA TODAY Sports)

フィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ第1戦のスケートアメリカ(米ラスベガス)の男子フリーが23日(日本時間24日)に行われ、ショートプログラム(SP)4位と出遅れた世界王者ネーサン・チェン(22=米国)は2つのジャンプミスがあって186・48点。逆転Vを狙ったが合計269・37点で3位にとどまり、2018年平昌五輪5位以降から続く連勝記録は13(団体戦除く)でストップした。一方、SP首位のビンセント・ジョウ(米国)がフリーもトップの198・13点を叩き出し、合計295・56点で涙のV。日本期待の平昌五輪銀メダル宇野昌磨(トヨタ自動車)は合計270・68点で2位となった。

フリーの演技を終えた王者チェンは何度も首を振った。キスアンドクライで得点を待つ間も肩を落とし、うなだれた。フリーは「4回転6本」の構成で挑んだが、冒頭の4回転ループに続く4回転ルッツ、前半最後の4回転サルコーがともに抜けて2回転となった。しかし、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、2つの4回転ジャンプは着氷させ、4本の4回転を成功。ステップとスピンはすべてレベル4として王者の意地を見せた。

3年8か月ぶりのV逸となったが、このまま終わるはずがない。何より「4回転6本」という驚がくのプログラムが完成すれば無敵だ。北京五輪へ向けて、王者の巻き返しから目が離せない。

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