チームが『強くなるために』改善を要求した野尻智紀。優勝は「本当にうれしい」【第6戦GT500決勝会見】

 大分県のオートポリスで開催された2021スーパーGT第6戦。10月24日に行われた決勝レースを終え、GT500クラスで優勝を飾ったARTA NSX-GTの野尻智紀と福住仁嶺が決勝日を振り返り、シーズン後半戦に向けた展望を語った。

福住仁嶺/第1スティント担当

「まずは本当に支えてくださった、関わっているみなさんに感謝の気持ちでいっぱいです。今シーズンは優勝できてもおかしくないようなレースは何度かありましたが、そのなかでも自分のミスだったりで結構落としてきたシーズンだったので、自分的にも気持ちが落ち込むこともありましたし、自信をなくすこともありました」

「今回のオートポリスに向けても自信を持ってこられていないところもありましたが、先週のスーパーフォーミュラでチャンピオンを獲得した野尻選手にいろいろと助けてもらいながら、昨日の走り始めは不調のなかここまで戻ってこれたのは、本当にチームのみなさんと野尻選手のおかげだと思います」

「レースに関しては、少しタイヤの温まりのところで怖い部分もありましたが、しっかりとクルマを信じ、特に僕のスティントではセーフティカーが多かったので、そのあたりの戦略を再度考えないといけないという部分で、チームのみなさんがすごく周りを見て判断してくれました」

「野尻選手にステアリングを渡した後も、野尻選手のアウトラップがすごく速かったので、そのおかげで優勝することができたと思います。本当に、とにかく周りの人たちに感謝の気持ちでいっぱいです」

「今回の結果には僕自信も満足できないところもありますし、クルマの部分でも、まだできることがたくさんあると思うので、ここからチームのみなさんに任せるのではなく、僕らドライバーがチームの工場に行ったりすれば、次戦に向けてもっともっと高いパフォーマンスが出せると思うので、それを実際にできるように次戦も優勝を目指して頑張りたいと思います」

2021スーパーGT第6戦オートポリス 福住仁嶺(ARTA NSX-GT)

野尻智紀/第2スティント担当

「みなさんご存知のとおり、これまで結果に繋がらないシーズンを8号車として過ごしていました。そのなかで、やはり前戦が終わってからはかなりミーティングを重ね『チームをもっと強くしていかないといけない』という部分で、僕自身も正直ドライバーから『そんなこと言われたくない』と思ったスタッフも、もしかしたらいたかもしれないですが、強くなるためにはと思いながら『もう少しここを改善して欲しい』という部分をかなり要求しました」

「ですので、僕自身としてはなんとしても結果を残さないといけないという責任がありました。福住選手から交代する直前には、そういった責任に押しつぶされそうになる瞬間も少しありました。ただ、みんなのこれまで頑張りなど、そういったものをしっかりと思い出し、自分のスティントでは大量のリードを築くことができたので、完璧なスティントにすることができたのではないかなと思います」

「これまで本当にたくさんの方々にご迷惑といいますか、なかなか結果が出ないなか、みなさんが勝利を渇望されていたなかで、ようやく優勝という結果を手にすることができて本当にうれしく思いますし、たくさんの方々のサポートに感謝したいと思います。本当にありがとうございました」

「まず次のレースを優勝で終えられるように全力を尽くすというところで、僕たちも今回の決勝レースのパフォーマンスは非常に良かったのですが、その反面、持ち込みでつまずいた部分もあったので、たくさん振り返るべきところはあると思います」

「そのあたりの解析をエンジニアさん任せというわけではなく、僕たちドライバーも一緒になってチームのポテンシャルをどんどんと引き上げるために、次のもてぎ戦までしっかりと時間を使い、またこの優勝会見に帰って来られるように準備していきたいと思います」

2021スーパーGT第6戦オートポリス 野尻智紀(ARTA NSX-GT)
2021スーパーGT第6戦オートポリス 優勝会見に出席したドライバーたち

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